今回の子不知は、以前「生と死の海岸」 のエントリーで書いた、もう先には行けない、と書いたさらに先まで行った。
比較的波も静かであり、引き潮だったから、すこし浜が出ていたのだ。
しかしながら海岸はテトラだらけ。時折来る大波を十分に警戒しながら、簡易救命胴衣を持って歩いた。
少し先に行くと、大きな花崗岩。
これは子不知高架橋の西端からは見えない岩だった。
はるか上にまでそびえる花崗岩の壁。
ただただ、圧倒された。
北アルプスの土台を見た気がした。
剱岳にも登った事があるが、その時の雰囲気よりさらに圧倒的なものを感じた。
そそり立つ大岩壁が、そのまま垂直に海に落ちている。
間近で見ると、恐怖心と感動で足ががくがく震えるほどであった。
ひすいは拾えたが、そんなものはどうでも良くなった。
目の前に広がる海岸は、めったに人が足を踏み入れることのない場所。
その場所に自分が居ることが、現実だとは思えなかった。
非常に危険な場所なので、見に行くことはとても勧められるものではない。
しかし、あの雰囲気は一生忘れることはないであろう。
テトラで埋め尽くされる海岸。しかし、その前にはとても美しい海岸が広がっている。 |
あまり人の目に触れることのないであろう花崗岩の絶壁。目の前に覆いかぶさるようだ。ただただ、圧倒された。これが北アルプスの土台なのだ。 |