2019年10月21日月曜日

ロディン岩とヒスイ 見分けるのは極めて難しい

※ 糸魚川で拾える石は、ほぼ100%ひすいじゃないです。ひすいを含んだ岩石を「ひすい」だとは言いません。ここも読んでくださいね。

ヒスイを探していると必ず間違えると言ってもよい「ロディン岩」と「ひすい」。
岩石学辞典の解説によれば、ロディン岩の正式名称はロディンジャイトと言い、カルシウム石榴石、透輝石、ヴェスヴィアナイトなどのカルシウム成分(石灰岩は炭酸カルシウム)を含む岩石で、蛇紋岩の中に小岩脈として生成する(ヒスイも蛇紋岩の中に生成する)。ロディンの名は、ニュージーランドのダン山のロディン川に由来する。

典型的なロディン岩。晶洞といわれる小さな穴があり、その中に結晶がきらきら光っている。比重はひすいと変わらない。この石は3.2以上。一部にはひすいを含んでいるかもしれないが、普通これをひすいだとはみなさない。薄緑の脈状の部分を持ち、割れやすいと言われているが、そうでもないものもあるようだ。いろいろな種類があり、緑の濃いものはよくひすいと間違われる。あまり透明感がないが光は通す。ざらざらした触感。表面に「ソーダ珪灰石」の繊維状の結晶がある場合、ロディン岩の可能性が高い。緑の原因は「緑簾石」だと言われる。ピンク色のものは「桃簾石」と言われ、昔ピンク翡翠と言われていた。


これは単鉱物質ヒスイ輝石岩とは全く異なる科学的組成であるが、ヒスイと非常によく似ており、見分けるのは容易ではない。
インターネット上で「ひすい」であるとして転売されている石の中には、少なからずこれや、先に紹介したキツネ石が混じっているものと思われる。

ひすい拾った!やったーと書いてあるページを見ると、蛇紋石やこのロディン岩ではないか?と思うような石がたまにある(このブログで過去に紹介した石の中にも、少なからずある(笑))。

見分けるのが難しい理由として、ヒスイと比重がほとんど変わらない、同じような場所から生成するために、外観や質感が非常に紛らわしく、光も綺麗に通すので、相当慣れた人でも判別に苦労すると思われる。

また、表面にきらきらした結晶がある場合が多い。

ヒスイの特徴を持ちながら、ヒスイでない石なのである。しかも、本物のヒスイ輝石を一部含むこともあるために、さらに判別を困難にしている。
フォッサマグナミュージアムで見てもらって、確実にひすいだ、としてもラベルをよく見れば「ひすいを含んだ岩石」「ひすい輝石岩」と書いてあるであろう。これは、ひすいの含有量にまで言及していない。ロディン岩とひすいは同じような場所から出る石であるために、専門家にもおそらく正確な判別は困難なのであろう、と想像する。

表面がざらざらしていて、絵の具のような緑色がべったり付いている、と形容されるが、それもあてにならない。あまり研磨されていないひすいだと、表面がザラザラしていることもあるからだ。

あえて言えば、ヒスイは非常に上品な、内にこもったような光を持っているように見えるに対し、ロディン岩は表面的な光具合であることだろうか?

私もまだ判別については、あまり自信がない。
まだまだ、判別眼を鍛える必要がある。

ロディン岩自体は、悪い石ではない。数も少なく、きれいな石も多い。十分鑑賞に足りる石である。

左がロディン岩やきつね石だと思っている石。 右がひすいだと思っている石。
鑑定してもらったわけではないので、私の勘でしかない。
ロディン岩の緑色は「緑簾石」であるとされる。きれいに色を通す場合があり、非常に紛らわしい。

緑の石を探すと、99%きつね石(だいたいが緑色の石英)を拾います。
白い石を探すと、99%まで石英を拾います。
灰色の石は、ほぼ曹長岩だと思います。
ひすいは本当に出会えない石です。
朝から晩まで探しても、何にも拾えないことが5回のうち4回ぐらいあります。