糸魚川で拾えるネフライトは、緑のものが圧倒的に多いけれど、中には青とか透明のものがある。
これらは、ネフライトとしては純度の高いものになる。
中国では白色のものが貴ばれ、緑や青は「碧玉」と呼ばれるらしい。
糸魚川の青ネフライトは非常に美しいものだ。灰色がかった青ばかりではなく、中には本当に青色の個体がある。
これは自分の中では、ひすいなんかよりも、はるかに価値が高い。
ネフライトが正当な意味での玉(ぎょく)であり、ひすい輝石の方は18世紀になってからやっと価値を認められたにすぎない意味でも、価値がある、と思っている。
(※ ちなみに、玉の価値について、孔子が述べたと言われる文章が、中国で「玉」が貴ばれる根拠なのだが、この原文に「珉(ビン)」という言葉が出てくる(『孔子家語』第36章「問玉」参照)。これは「玉に似た石」のことで、私の解釈では「ひすい輝石」も、「珉」に含まれる。なぜなら、ひすいは玉に似た石だからだ。この文章の中では、「ひとが玉を貴んで、珉を賤しむのは何故か、数が多いからか?」と言われている。この文章からすれば、孔子の在世当時、「珉」が玉より価値が低いとみなされていたことは明らかである。もっとも、中国で貴ばれた玉は純粋な白玉(羊脂玉)の事なのではあるが)
たしかに日本や南米では、ひすい輝石は中国よりずっと以前から価値を認められていたであろうが、これらは一度完全に断絶しており、遺跡の中から見つかったものにすぎない。日本で発見されたのは20世紀のことであった。
ずっと価値を持ち、愛されて来たのは、ネフライトの方なのだ。
透明な部分を含むネフライト。透過光は驚くほどきれいだ。 |
透明度の高いものは、まるでガラスのようだ。 |
私のいちばん好きな青ネフライト。 |
これも青を含んでおり、非常に美しい |
青が濃くなると、ここまで青くなる |
ほぼ、紺色だな |
私にとって、ネフライトはひすいよりきれいな石です。 |