2024年4月26日金曜日

AppleIDは神様

 UnsplashAlex Kalininが撮影した写真

1週間前に或るアプリをダウンロードし、よく考えもせずに、サブスクリプションを購入してしまった!
使用する過程で、非常に不快な思いをしたので、解約しよう、と思い、運営会社に連絡すると「解約できるが、料金はサブスクリプションの8分の1しか返金できない」と言われた。
その後、交渉するが、やはり8分の1しか返せない、という。

これはおかしいと思ったので、AppleIDで「返品」の手続きを取ると、全額戻ってきた。
そのアプリについては、消費者庁へも報告した。
ダウンロードしてから1週間しか経っておらず、ほとんど使用していないにも関わらず、「返金できない」ということは、法律に違反している、としか考えられない。
あまり頭にきたことはないのだが、これには腹が立った。

日本には「クーリングオフ」という制度があり、一定の期間内であれば、どんな理由があったとしても、無条件で契約を解除できる。
また、「解約できない」とか、脅迫めいた事を言うと、解約できる期間が延長されることになっている。

Appleは、この件にきちんと対応してくれた。消費者の味方である。
最近、政府がグローバル企業の独占?を懲らしめるために、規制を緩くせよと言っているが、そんなことをしたら、怪しい業者が堰を切ったように、Appleストアに流入し、詐欺アプリだらけになるだろう。
Appleの厳しいアプリ審査は、消費者を守るためのものだ。
それをやめろ、という日本政府は、何を考えているのだろうか?
政府のお役人はデジタル社会に対して、あまりにも無知で、時代遅れである。

2024年4月25日木曜日

オンライン詐欺集団

ミャンマーから世界中のサイトにアクセスする詐欺集団の記事

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/297850

先日、オンライン詐欺の被害に遭遇しかけた。私の脇が甘かった。

しかしながら、詐欺師の集団が、かなり巧妙な手法を用いており、さらには背後にミャンマーの軍隊が居るらしい事を知った。

彼ら、彼女らは、安い給料で働かされたり、人身売買の被害にあった人たちであり、ほとんどが中国人である、という。

世界中の出会い系サイトやSNSにアクセスして、知り合った人たちを騙す。

彼ら、彼女達は、翻訳機を使って出身国を偽り、言葉巧みに中国人が作った、詐欺の投資サイトに誘導する(ただし、よく注意していれば、おかしな日本語を使うので、容易に判断できる)。

また、金の援助を迫ったりする。

ノルマがあり、背後には銃を持った軍人が監視している。

日本人や中国本土の人たちは、そんな事も知らず、騙されてしまう。

今やこのような詐欺の被害額は世界中で数十億ドル規模である。インターネットや経済格差が産んだ、新しいタイプの盗賊団だ。

最近、あまりにこれに類似した集団が多い。

インターネットは、昔よりもさらに危険な状態になっているのは確実である。

十分、注意して頂きたい。

2024年4月24日水曜日

「道迷い」してしまった時にはどうすれば良いか

 

山歩きをしていると、時々道がわからなくなることがある。
少し迷った場合は、すぐに元の場所まで戻ることで、ほとんどの場合は正規のルートに復帰することができる。
しかし、ある程度進んでから、道がわからなくなったときは厄介だ。

山では、正しい方の道が草で分からなくなっているのに、間違った道の方がきれいになっている場合がある。
見かけがきれいに整備されている道でも、間違った道であることがあるのだ。
そこに進んでしまうことによって、自分のいる場所が完全にわからなくなってしまうと、パニックになる。

今の時代、GPSという便利なものがあるおかげで、ほとんど今の位置を見失うことはないが、それでも、谷間とかにいると、GPSの誤差が大きくなることがある。
誤差が大きくてGPSが使えない、ということになると、本当に道に迷った、ということになる。

山岳遭難の約半数を占めるといわれる「道迷い」は、なぜ起こるのか。
やはり気のゆるみが最も大きな原因だが、
「この道は以前来たから知っている」という思い込みや、山歩きに慣れてきたころに起こる「自信過剰」にも起因している。

こまめに自分の位置を確認し、少しでも疑問があれば「疑う」事を決して忘れてはならない。
山の中で「道迷い」してしまって、亡くなった人は多い。
「自分はそうならない」という過剰な自信は、捨てた方が良い。

2024年4月23日火曜日

気になること




ニュースを読んでいると、気になる記事があった。
かつてフランスのミッテラン大統領の補佐官であったジャック・アタリ氏の言葉だ。

”状況は更に深刻です。気候の温暖化が現実に起きているという事実が、あらゆる証拠から明らかになっています。
温暖化は予想よりも加速していて、制御不可能な状況になっているのかもしれません。
ですから2024年は、私たちが乗っている「車」がどんどん道から外れていく年になるでしょう。
「車」に乗っている人たちは、シャンパンを飲み、何が起きているかもわかっていない、そんな状態です。”
我々は地球環境の急激な変化に気が付かず、まるで飲酒運転の車に乗っている人たちのようである、と言っている。
「制御ができないわけではないが、徐々に制御できなくなりつつある」とも言っている。

人間社会のコミュニケーションもおかしくなっている。
人間社会のルールが崩壊している。まるで自然が崩壊しているのとシンクロするようにである。
世間には詐欺がはびこり、簡単に相手を信用してはいけないような状態だ。
どんな社会も分断、不信、闘争が起こっている。
これもまるで「酔っている人が車を運転している」のと、同じような状況だ。
何を言っても、何をしても、止められないような、絶望感を感じる。

この「無秩序状態」は、物理的な「エントロピーの増大」の結果なのだろうか?
だとすれば、元に戻ることはない。そのまま終わりまで行くだけだ。

このような身の回りの環境の変化が、最近特に加速していることがとても気になる。
この先、どうなっていくのか、考えると不安になる。

自然を傷つけてきた人間が、自然から本格的に仕返しをされる日は近いように思う。

2024年4月22日月曜日

油断はいけない


人間には気を付けていても「隙」がある。
山を歩くとき、ついつい「いい景色だ」とか「早く下山しなければ」とか「道がわからない。どこに行けばいいのか」と思っているとき、「隙」が発生することが多い。

普通人間は自分の背後が見えない。これも大きな「隙」である。
背後から落石が落ちて来た時、それを避けることは気を付けていても難しい。
また、突然「クマ」などの危険生物が襲い掛かってくることもあり得る。
これも避けきれない。

問題は、その「隙」を突かれた時の対処である。
自らが傷を負ってしまった場合、自力で下山できるならそうしなければならないが、自力ではどうしようもない場合は、警察に連絡して、助けを頼むしかない。

これをどの時点で判断するか。
それによって、後の展開が大きく変わってくる。
早めに救助要請して、じっと救助を待つのが良いのか、自力で下山するのかを判断しなければならない場合、周りの状況を判断して、何としても自力で下山するのがよかったり、そのまま下山してはいけないかったりするのを、自分で見極めなければならない。
それは自分の経験と直感に頼るしかない。

そもそも、そのような危険な目に遭遇するのは、自分の心のどこかに「油断」があったからだ。
山に登るときだけでなく、すべての事についてもそうであるが「油断」すると、思いもかけない困難に遭遇することがある。
だから何事をするにも、常に「緊張感」が大切である。
 

2024年4月14日日曜日

登山にはいい季節 されど油断禁物


 この間の山行は、終日好天にめぐまれてとても良かった。
今の時期は残雪期の終わりごろで、中標高の山なら雪も硬く、登りやすい。
ただし、気温の変動が激しく、朝方は凍結しており、昼からは踏み抜きが多くなってくる。
また、下山するころの気温が、下界で30度近くに達していることもあり、熱中症に注意しなければならない。
紫外線が一年で最も多い時期でもあるので、日焼け止めは必須。あと、目を守るためにUVカットグラス(サングラスの色の濃いものでも、紫外線をカットしないものもあるようなので、注意)が必要になってくる。

積雪は1m以下になっているだろう。ツリーホールの深さで大体の積雪量がわかる。たとえ踏み抜いた場合でも、上がれなくなることはまず無いだろう。

硬い雪付きの稜線歩きは、この時期にしか味わえない爽快感がある。
春霞でやや視界が悪い場合もあるが、運がいいとかなり遠くまで見えたりする。
美しい景観を見ると、ああ、山にきてよかったなあ、と思える。
私はいつも単独行。だれもいない山頂にいるのが好きである。
この日も、結局登山開始から終了まで、一人の人間とも出会わなかった。
出会ったのは、まだ冬毛のでっかいウサギ一羽であった。
とても満足であった。

2024年4月13日土曜日

仁王山 白木峰周回 残雪期の最後に

 二か月ぶりに登山できる機会がやってきた。
運よく快晴で、どこに行こうかと考えて、まだ行っていない「仁王山」に決定。
朝7時、杉平駐車場から。
まずは仁王山を目指す。この山は急登である。上部で雪が硬くなり、アイゼン、ピッケルを装着。
最近登った記録はあるのだが、本日はノートレース。新雪が降った形跡があり、たぶん消えてしまったのであろう。
春先は、このようなことは珍しくない。

1200mを超える辺りから、雪がつながる。雪が硬かったが、急登。アイゼンを装着

仁王山山頂。だれもいない

仁王山はとても眺望がすばらしかった。周りにあまり高い山がなく、遮るものがない。

ここは、180度すばらしい眺望。

白山がとてもきれいだった


山頂の標識

北アルプス方面

白木峰に向かう、最低鞍部から。ここからの景色が最高であった。

この写真が一番気に入っている。

白木峰に向かう道。登り返しが約300m

白木峰山頂

登ってきた仁王山を振り返る

山名盤

雪が柔らかくなって、急坂では踏み抜きが多くなってくる

林道交差点はまだまだ雪が深い

落石も多い

林道もところどころ雪がある

まだ春が早い。芽吹いたばかりの木々

久しぶりで体がなまっており、あまり調子はよくなかったが、最高の登山で気分爽快であった。やっぱり山はいいよな。

2024年4月10日水曜日

ニューラルアーキテクチャ探索について

AIの進化は著しい。機械の性能のアップにより、「自律的に自分自身の考え方を変える」という段階にまで進んでいる。
これは人間の脳とほぼ同じことをしていることになる。
(もはや「不気味の谷」である)

これができるようになると、「この人には、このような答え方がよいだろう」とか、「山道を走るときには、このようなモードがよいだろう」などを自分で考えられる。

また、特定の場合に、特定の特殊な考え方をする、などのことをできるようになる。

このようなことができると、人間の知的な活動のほとんどがAIにとって代わられる。

また、これをロボットに仕込むと、人間と同じような動きをするようになるだろう。

ただし、この技術(NAS)は、計算コストが高つき、小型化するのが難しい。が将来的に小型化された場合、ロボットに組み込むことが可能になるかもしれない。

また、ネットワーク接続すれば今でも可能であろう。

まったく、怖い世の中になったものだ。


-----------------------------------  NASの概要をAIに尋ねてみると、以下のような答えが返ってきた --------------------------------------------


 ニューラルアーキテクチャ探索(Neural Architecture Search, NAS)は、AI(特にニューラルネットワーク)の構造を自動的に最適化する手法です³。以下に、NASの主な特徴と進化をまとめています:


- **基本概念**:NASは、最適なニューラルネットワーク構造を自動的に設計する手法であり、AIモデルの性能を最大化することを目指しています²。これにより、AIの開発がより迅速かつ効率的になり、さまざまな応用分野での革新が期待されています²。


- **探索空間**:NASは、「評価したい構造の集合は何か」を定義します¹。事前知識を反映させることで探索空間を狭めれば探索コストは減りますが、人間の持つバイアスを超えた新しい構造の発見を妨げてしまうことに繋がります¹。


- **探索戦略**:NASは、「探索空間の中をどうやって探索するか」ということを決定します¹。広い探索空間で全探索をすると組み合わせ爆発が起こり、探索コストも指数関数的に爆発してしまいます¹。


- **パフォーマンス推定**:NASは、「どうやって未知のデータに対するパフォーマンスを推定するか」ということを決定します¹。一般的な「testデータとvalidationデータを分割する」という手法では計算コストがかかり過ぎてしまうので、どうやってコストを削減するかという研究が進んでいます¹。


- **進化**:NASの進化は、主にアルゴリズムの改善と計算効率の向上によって特徴づけられます²。初期のNASアプローチでは、ランダムサーチやグリッドサーチなどの基本的な探索手法が使用されていましたが、これらの方法は計算コストが高く、時間がかかるという問題がありました²。


- **最新の動向**:2024年現在、NASはさらなる進化を遂げています²。AI技術の急速な発展に伴い、NASはより高度で効率的なアーキテクチャ探索手法へと進化しています²。


NASは、AIの設計と実装において重要な役割を果たしており、その影響は産業界全体に及んでいます²。しかし、NASには計算コストが高いという課題もあります²。最新の研究では、この計算コストを削減するための新しい手法が提案されており、これがNASの未来を大きく左右する可能性があります²。


ソース: Bing との会話 2024/4/10

(1) Neural ArchitectureSearch(NAS) – 【AI・機械学習用語集 .... https://zero2one.jp/ai-word/nas/.

(2) 2024年のNAS革命:最新のアーキテクチャ探索手法とその影響 .... https://reinforz.co.jp/bizmedia/24929/.

(3) NAS(Neural architecture search)の歴史と現在の動向(Elsken et .... https://qiita.com/norihitoishida/items/9f73865a0c8f99c203cd.

(4) 敵対的サンプルにロバストなネットワーク構造の探索 | AI .... https://ai-scholar.tech/articles/nas/NAS-for-robustness.

2024年4月9日火曜日

パソコンを新品に そしてブラウザのシェア率

 


古いパソコンにWindows11を無理やりにインストールして使っていたが、そろそろ限界になってきた。また、Microsoftは「動作要件を満たさないパソコンにWindows11をインストールして使用するのはやめてほしい」と言っている。
たしかに文字がおかしくなったり(特にクラウドに保存するときに、遅延が発生したりする)、動作が遅い、エラーが常に発生するなど、問題が多くなっていた。
そこで、最新CPUを搭載したパソコンに買い替えることに。
以前Macを使用していた時に使い慣れたUS配列キーボードのものにした。
日本語配列キーボードは使いにくくてかなわなかった。(文字を打つスピードがかなり改善される)
最初、動作が遅いな、おかしいなと思っていたら、電源管理で「最適なパフォーマンス」になっていなかったのが原因だった。

新しいパソコンにはTPM2.0が搭載され、安全面でも優れている。
前のパソコンではレジストリを編集したりして、無理に要件を回避したりしていたから。

さて、ブラウザのことであるが、最近シェアを伸ばしているEdgeをメインにすることにした。
Edgeの魅力は、MicrosoftのAIであるCopilotがすぐに使えることである。
Windows11の23H2にはすでにCopilotのプレビュー版がついているのだが、やはりブラウザで使えると、どんなパソコンでもいいので、使いやすい。
CopilotにExcelの操作を聞くと、ほぼ正確な回答をしてくれる。またプログラムなどのデバックすらやってくれる!
もうすでに、英語版などでは、OfficeとCopilotが連携しており、AIに動作を指示すればそのとおりの仕事をするらしい。

EdgeはWindowsとの相性がとてもよく、メモリも消費せず、とても快適である。
これからは、このブラウザをメインで使用することになるだろう。

2024年3月22日金曜日

山は遠きにありて

 


登れない、登れないと言っているうちに、もう3月も終わり。この間行けたのが2月10日だから、ひと月空いてしまった。
山は天気が悪そうだし、急に降雪したり、まだ天気が不安定。
どうも「山が呼んでいる」雰囲気ではないので、登山はずっとあきらめている。

私事でも忙しく、しばらく更新できそうにもない。
これまで、運の良いことばかりが続いてきたんだなあ、と思わざるをえないほど、次から次へと、重い仕事ばかりが重なる。

まあ、こんなこともあるさ。山は逃げないから、いつだって、来年だって、登ることが出来るだろう。


2024年2月10日土曜日

高落場山 草沼山 道まちがえた

 今年も恒例の高落場山登山に行くことができた。
今回は初めて「草沼山(1080m)」まで足を延ばすことにしてみたのだが、分岐が分かりにくく、間違った尾根に入ってしまった。
途中でGPSを見て、間違っていることが分かり、危なかったが、急斜面をトラバースして向こう側の尾根に向かった。
雪崩地形でかなりひやひやしたが、何とか正規のルートに合流。
今回の反省として、こまめにルート確認をすること。そして、間違ったと思ったら「登り返すこと」。
草沼山はノートレース。眺望はとても良いが、天候が悪かったので残念。
(以下の写真、時系列が逆です)

今日はあまり天気が良くなかった


草沼山に向かう道の途中にある「兜ブナ」。3つ又に分かれた珍しい形をしたブナ

草沼山の山頂はガスガス。ガスがかかっていなければ、眺めはとても良さそうだ

草沼山から高落場山方面を見ると、濃いガスが。

高落場山ではガスが晴れていたのに

青空

人形山方面

いつもながらいい風景だ。医王山と砺波平野

山頂に向かう途中のフロストフラワー

針みたい

不思議な造形だなあ

2024年2月3日土曜日

冬の北アルプス また事故発生

 

去年1月、高落場山に登った時の北アルプス方面

冬の北アルプスと言っていいのか、乗鞍岳には一度登ったことがある(11月と3月初旬)。ぎりぎり厳寒期だったのは、3月の時だろうか?

下界と違って空気が薄いのはもちろんであるが、一番問題なのが「寒い」という事である。
標高が高いので、ほぼ確実にマイナス5度以下にはなる。
この状況では、池などは完全に凍り付く。
そのうえ気象の安定しないことが多く、すぐに吹雪いたりする。風が強いと、寒さは特に堪える。「目玉が凍るのでは」と思うくらいの寒さだ。あれは一度経験してみなければわからない。

このブログで「西穂高岳は本当に危険な山だ」の記事が読まれている時には、たいてい西穂高岳で死亡事故が発生した時が多い。
私なりにあの山の危なさを警告しているつもりなのだが、「また発生したのか」といつも思ってしまう。
この記事の中でも述べているように、西穂高岳は「日本の一般道で最も難易度の高い」西奥縦走路の一部であり、特に危険なのは独標から先である。
無雪期でも難易度が高いのに、ましてや積雪期、それも厳寒期に西穂高岳に入ろうとするならば、相当のエキスパートでなければ無理だ。
一般人は決して真似してはいけない。さいきんどうもSNSの影響からか「あの人が出来たんだもの、私にできないはずはない」と思うのだろうか、簡単にこのコースに入ってしまう人が多いような気がする。
夏場でも、このコースは危ない、と思う。何度も登っているが、回数を重ねるにつれて、ますますその危なさを実感する。なので、私はなるべく雪のある西穂には登らない。
なぜなら、険しいからだ。それが一番適切で伝わりやすい表現である。

今回の事故は同行者が遭難したことに気が付かなかったようだが、山頂から西穂山荘まで、気が付かなかったのだろうか?
SNSでつながった「ゆるい」パーティーの場合は、アンザイレンなどもちろんしないし、「誰がパーティーのリーダーであるのか」ということもない。
行ってみれば「全員がリーダー」である、という事になりがちだ。
このような事故が発生した場合、責任は「自己責任」という事になる。
昔なら考えられないような事態であるが、今そういうことが起こっているようだ。

ヨーロッパのように、「ガイド無しでアルプスに登ってはならない」という決まりを作れば、このような事故も防げるだろう。
まあ、険しさはヨーロッパアルプスの比ではないものの、一部でそれに近いような状況を呈する山もないわけではない。せめて穂高周辺で、「ガイド無し登山」を規制してみてはどうだろうか?

2024年2月2日金曜日

今年初糸魚川 津波の爪痕

地震後、はじめて糸魚川に入った。
もっと通行止めやがけ崩れがあると思っていたが、すでに復旧している。
ただ、脇道には「通行止め」の看板のあるところがある。
 
今日は寒かったので、海は大荒れ。
海岸も砂だらけ。波の間隙を縫って石を拾うのも命がけだった。
いつもは無い場所にまで、流木やゴミが押し寄せていた。
これは、1月1日に来た津波の爪痕だろうと思う。
おそらく、3mほどまで波が来ていた痕跡があった。
3mは、人間の背丈の約二倍だ。こんな波が地震から約3分で押し寄せたのだ。

今日は冬型の気圧配置により海は大荒れなのだが、これは「波浪」というものだ。
波高は2,3mあったと思うが、これと津波は全く性質が異なる。
津波は、水の量が増えるのだ。だから、「溢れる」という感じで押し寄せる。
波浪は、水位の変わらない上下運動だ。
まだ、地震の起こる危険性は排除できない。
なので、常に「緊急地震速報」を注意しながらの探石となったのであった。

波が危険すぎて、あまり石が拾えない。梅林石、石英、ネフライト

今まで見たことのない場所に流木がある。これは津波の痕跡だろう。

波は確かに荒いが、水面の高さは変わらないので、注意すれば避けられる。

どんよりした、日本海特有の鉛色の空。しかし、この風景もなかなか好きなのだ。

2024年1月20日土曜日

能登地震の被災地へ入る



大きな地震から、今日で20日経過した。じつは親戚が被災地にあるので、発生から5日目に後片付けの手伝いで行ってきたのである。その時の事を少し書いておこうと思う。

建物は地面に沈降したかのように崩れており、中に入るのも勇気が必要な状況だったが、自治体による被害判定の直前で中に入ることができた。
柱は斜めになっており、建物は分裂、床は約10%ほど傾斜していた。
この状況では、取り壊さざるを得ないであろう。
「危険」という赤い紙が貼られた。

周りの家はどれも半壊か全壊。
写真のように「液状化」が発生して、下から砂が噴き出している。
アスファルトは割れ、マンホールが浮き上がっている。

現地は奥能登からはかなり離れているが、一番被害の大きい奥能登では、どれほど甚大な被害が発生しているのか、見当もつかない、と思った。

この地域では、これほど大きい地震は起こらない、と今までは思われていた。
今度の地震は3000から4000年に一度の規模だった。
仮に1年に1mmの隆起があるとしたら、今度の4mという隆起は、そのひずみが一挙に解消されたことを意味する。
その現実が、あまりに衝撃的過ぎて、受け入れられない。

日を追うごとに被害の状況が明らかになっているが、とにかく今までにあまり例を見ないほど過酷な状況である。
奥能登が都市部と離れている僻地であることが、被害をさらに大きくしている。

2024年1月13日土曜日

1か月ぐらいは余震に注意



能登の地震は、発生から2週間経過しようとしているが、まだ全様が明らかにならないほど、甚大な被害が出ている。
いまだに孤立している集落が多く存在し、取り残されている人たちが750人もいる。一方、あまりの被害の大きさから、復興をあきらめ「ふるさとを捨てて」出ていく人も増えている。
そもそも、水や食料がなく、電気もない状況では、まともな生活が成り立たない。
ほんとうにお気の毒なことである。
われわれにできるのは、確かな自治体の機関に「義援金」を送る程度だ。

もう二度と復旧できないであろうほどの甚大な被害を被っている。
海岸線は4mも隆起した。一瞬で4mもの大地が隆起するとは、どれほどの大きな力だろう。想像もできない。
動いた断層の距離は150kmにもおよび、しかも認知されていなかった断層だった可能性がある。
3000から4000年ぶりの活動だったようだ。
こんな断層が、日本列島の地下にはまだ多くあるようだ。

地震活動は当初に比べると「落ち着きつつあるように」は見える。だが、この地域の地震は数年前からずっと連続しており、落ち着いては活発になりを数回繰り返しているので、まだまだ油断はできない。
余震も弱いものはまだ継続している。
継続している、ということは、まだ地盤の動きが停止していない、ということだ。
気を付けないと。

いつもなら雪山に登山する季節だが、登っている時に地震が発生すると、大規模な雪崩に巻き込まれる可能性があり、うかつに山には入れないし、雪の積もった斜面に近づくべきではない。

山に登るたびに、山の美しさと同時に、危険さも肌身で感じているので、危ないことは避けるようになる。
要するに、そのような「勘(かん)」が働く、という事である。

2024年1月3日水曜日

新年早々の大地震に見舞われる

2023/11 七尾城展望台にて

 1月1日、いろいろ忙しく、ばたばたしていて、帰路、地震に見舞われた。
揺れは今までに経験したことがないほど大きく、揺れは1分以上続いた。
何度か仕事で訪れたことのある石川県珠洲市が震源であり、ここは3年ほど前から大きな地震が繰り返されている。
2年前には、震災の見舞いで現地を訪れたばかりであった(関連記事)。
その時も、建物の被害が大きかった。
今回の地震はその時とは比較にならないほどの規模で、現在でも行方不明の方が多数ある。
ほんとうに、なんと言っていいか。ただお見舞い申し上げる以外に何もできないのが悔しい。
珠洲市は市長の話では壊滅状態だそうである。
まだまだ余震活動が続いている。今後どれだけ被害が拡大するのか、未知である。

地質学者の解説では、能登地方の下に、東日本大震災のときに潜ったと思われる、東京ドーム23杯分ぐらいの巨大な「流体」があり、これが断層に接触して刺激したのではないか、という。
M7.6という地震規模は、内陸型地震としては「きわめて大きい」という。

このあたりの地盤は「飛騨帯」と呼ばれる、かつて大陸から分離した地質の一部だ。
なので、あまり地震の起こらない強固な地盤であるはずであった。
しかし、今回の地震で分かったことは「日本列島のどの場所でも、大きな地震は起こりえる」ということだ。
想定外のことが起こるのが自然だが、今回の地震は想定の範囲を大きく超えている。

いつもひすいを拾いに行く糸魚川市も、がけ崩れ、同時に発生した津波の影響をうけており、いつになったら復旧するのか、予想もできない。

新年早々、こんなことが起こるとは予想もできなかった。