2021年1月15日金曜日

思い通りにならないこと

 


世の中、思い通りに事が運ばない事が多い。
身近な例では「新型コロナウイルス」がある。どれだけ終息を願っても、なかなか縮小しないどころか、さらに勢いを増している。現代医学の結晶であり、ナノテクノロジーの粋であるワクチンも、どの程度効果があるのか、疑わしい。
「コロナ以前」の普通の生活が、いかに貴重で平和な生活だったのか、身に染みて思うばかりである。

この世界は、何か抗えない力によって動いているような気がする。
人間が科学で何とかしようとしても、どうしても変えられない何かがあるような気がするのだ。
かといって、そのまま放置しておくわけにはいかない。
人類の持つあらゆる手段(もちろん科学である)、最高の技術によって、この状況を何とか乗り越える他、人類が存続していく道は無い。

かつて南アメリカの先住民社会はコンキスタドールによって、壊滅的に破壊された。
武力による征服も大きな原因であったが、なによりもヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘その他の感染症に対して、先住民たちが免疫を持っていなかったことが、壊滅の大きな原因だった。
このため、瞬く間にこれらの悪疫は多くの命を奪うことになった。

今の世界も、ちょうどこの状況に似ている。
今まで人類の経験したことのないようなウイルスが、世界の辺境から突然現れる。
新型コロナウイルス以外にも、エイズ、エボラウイルスなど枚挙にいとまがない。

状況は「都市>辺境」とは全く逆である。最近は「辺境>都市」へと未知の病原体が勢力を拡大する事が多くなっている。アフリカや中国の奥地から、いままで知られていなかったウイルスが現れる。
以前とは逆対称である。

全体的にみると結局、昔と状況は変わらない。科学があろうとなかろうと、ウイルスは常に存在してきたし、これからも未知の病原体が存在するであろう。それがどこから現れるのか、まったく予想がつかない。

これらのことから思うのだが、この地球や自然のシステムは、十分に科学の力で解明されている、とは言えないのではないだろうか。
人類は「われわれにわからないことは無い」と、勝手に思いこんでいるだけではないか?
それどころか、人類は自然と自分たちを分離する考え方によって、誤解を深くしているだけではないか、とすら思うのである。
科学はまるで「万能の神」のようにあがめられているが、それは意外と頼りにならないものであるかもしれない。

私は人間の世界に住んでいるので、人間のルールに従って「科学」を崇拝するしかない。
だが、科学を知らない他の動物たちが、人間よりほんとうに「賢くない」と言えるのかどうか、今一度考えてみる必要があるのではないか、と思っている。