2026年1月4日日曜日

AKIRAがNHK教育テレビでやっていた

 AKIRA (1988年の映画) - Wikipedia


正月の番組で、なんとNHK、しかも教育テレビで「AKIRA(1988年)」をやっていた。
この映画は、今まで何回見たことであろう。始めて見たのが1990年頃だっただろうと思う。
1980年当時の社会的雰囲気がリアルで、当時はかなり衝撃を受けた。
暴力やグロテスクな描写も含むのでPG12指定となっているが、作者の大友克洋氏は「リアリティーにこだわった」と言う。
日本でよりも、海外で評価が高く、この作品が「時代の先を行っていた」ことがわかる。
公開から38年も経過しているが、今見ても面白い。
実際に、最初は以前に何回も見た作品だったので、最後まで見るつもりはなかったのだが、いつの間にか画面にくぎ付けになってしまった。
非常に手間のかかった、人間の力が生み出した本物のアニメーションである。
CGは一部にあるらしいが、どこにあるのかわからない。
それほど、リアリティーにこだわって、丁寧に仕上げられた作品だ。
それが評価されて一つの「芸術作品」として、NHKが放送を決めたとしたら、その判断は正しいと言えると思う。
また、今回のテレビ放映に際して、たぶんデジタルリマスターか何かをしてあるのであろう。画面が明るくなっており、テレビ画面としては見やすかった。
まあ、昔の独特の「暗さ」「ノイズ」を含んだ画面も、私は好きであるが。

この作品のAKIRAという少年は「鉄人28号」のオマージュらしいが、普通の少年だ。過去にどんな力を発揮したのかはわからないが、それがおそらく第二次大戦前の、軍国主義のイメージに重ねられていることは、雰囲気としてわかる。
腐敗した政治を批判する軍人が、クーデターを決行するシーンは、まるで2.26事件や5.15事件を彷彿とさせる。

おそらく、AKIRAという存在は、その戦争を起させた「無意識的エネルギー」の事かもしれない。それが東京オリンピックのスタジアムの近くに「冷凍保存」されていることも、それのメタファーなのかもしれない。

AKIRAは徹底的に調査され、封印された。それを復活させようとしている軍人、そして実際に社会的アウトサイダーの暴走族の少年の体を借りて復活した、その「力」がとても不気味だ。
最後の結末は、非常に考えさせられるものである。

その力は「ナショナリズム」なのか、あるいはそれを超えた「なにか」なのか。
それを取り巻く人間たちの動きは、日本人の心の深層に流れているものに、一致しているのではないか?
また、この作品が海外での評価が高いことは、日本のように、その領域が「封印」されてしまっている国民以外の国民が、何らかの共感を得た、ということでもある。