青い石は珍しいので、表面の大きな結晶からヒスイではない、と思ったものの、キープしていたのであった。
後から調べてみると、この石は「苦土リーベック閃石曹長岩」という、ヒスイよりさらにレアな石である可能性があることがわかった。
この石には「ストロンチウム斜方ホアキン石(奴奈川石)」や、青海石、糸魚川石という糸魚川で発見された新鉱物が含まれることがあるらしい。
この石の産地は、現在は厳しく立ち入りが禁じられている青海川上流の金山谷である。
ここは蛇紋岩帯があり、ヒスイやその他のめずらしい石がある場所でもある。
苦土リーベック閃石の化学式はNa2(Mg3Fe3+2)Si8O22(OH)2という、複雑なものである。ナトリウム、マグネシウム、鉄、ケイ素、酸素、水素から構成される。
苦土とはマグネシウムのことである。
リーベック閃石は、繊維状になると「青石綿」と呼ばれる。
これは非常に発がん性の高い危険な物質であるから、この石を割ったり、熱を加えたりしないほうが良いと思われる。まあ、硬いのでそんなに簡単には割れないが。
珍しいけれども、危ない「毒気」を含んでいる、ということだ。
奴奈川石は世界で初めて、糸魚川で発見されていたが、学会発表はされなかった。
そのため、のちに別の場所で発見された時の「ストロンチウム斜方ホアキン石」の名が正式採用された。
化学式は Sr2Ba2(Na,Fe2+)2Ti2Si8O24(O,OH)・H2Oという複雑なものだ。ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、鉄、チタン、ケイ素、酸素、水素から成る黄色い石である。
本物なら、めったに拾えない珍しい石であることは確かだ。
糸魚川は、プレートの境界にあるので、このような石が出るのだと思う。
ともあれ、もしも奴奈川石であれば、大きなヒスイを拾ったよりも何倍もうれしい。
糸魚川での石拾いの目標を達成した、と言えるほどだ。
きっと青海黒姫山の沼河比売様が、授けて下さった石なのだろう。
ありがとうございます!
青黒い色が苦土リーベック閃石の特徴だという。曹長岩の特徴である大きな結晶がある。 |
晶洞の中に、黄色い結晶が。これが奴奈川石だろうか? |
他の場所にも、数カ所確認できる。 |
クラックの付近にも、集まっている。 |
大きな結晶は、青黒い色をしている。 |
この少し褐色がかった鉱物は何だろう? |
色を調整すると、リーベック閃石の色らしい。晶洞にあるのは、やはり奴奈川石のようだ。 |
別の場所にある奴奈川石と思われる黄色い鉱物。青い石に黄色い鉱物が含まれる例は、他にあるのかな? |
この褐色の繊維状の鉱物が「青海石」であれば、さらにレアだ。色からして、その可能性もあると思っているが、Webの写真をみると、本物ではもっと繊維の状態がわかるようだ。しかし、一本だけあるようにも見えるのだけど。私の古いカメラでは、この辺りで限界。 |