冬山でも、海岸でもそうなのであるが、自然が豊かな場所というのは、人間があまり行っていない場所。
荒々しい自然がそのままあるからこそ、きれいな場所なのである。
そういう場所で油断すると、ほんとうに帰って来られなくなる。
よく、自然の中を「公園」だと勘違いする人がある。
まあ、「国立公園」などという名前が、ややこしい名付け方だから、誤解する人もいるのは仕方ないのかもしれないが。
だいたい、「国立公園」「国定公園」と名前が付けられた場所は、人間の手が入ることを、法律で禁じている場所である。
一般の「公園」なら、整備されているが、国立公園の場合は整備することが出来ないのであるから、まったく反対なのだ。
手が入っていない、ということは、人間にとって危険な生物もそのまま保護されている、ということだ。
登山道はともかく、その他の場所に至っては、動植物の保護のために、まったく野放し状態である。
このような場所に入る時は、それなりの覚悟をしていかなければならない。
ワイルドな自然に直接向かう、ということだからだ。
したがって「国立公園」は、「公園」ではない。
人跡未踏の深い森が延々と続いている場所である。
こんな場所が恐ろしくないわけはない。