2020年10月9日金曜日

情報をどれだけ集めても登山は難しい


今の時代、山に登る前には、インターネットで登る山の情報を調べ、それから行く、という人がほとんどだと思う。私も実際にそうしている。もしも事前に危険な情報があったりすれば、その山には行かない。

ただ、厄介なのはその情報が「本当に正しいのか、どうか」疑わしい場合だ。
「正しいかどうか」は、実際に行ってみるまで、分からない。

仮に、調べた情報が「かっこよく見せるために」改変を加えられたものだったり、安全のために重要な情報を書いていない情報だったとする。
その場合、それを信じて実際に行った場合、危険な目に遭うであろう。

インターネットの情報は別に正確さを求められるわけではない。個人が趣味で発信している情報であるから。
これを配信することは、たとえ間違った情報であっても、よほどのことが無い限り法律にも触れるわけではない、というのが現状だ(ここら辺はインターネットの法整備が遅れている現状では致し方ない。将来的には間違った情報に対して、何らかの法的規制がかかるはずである)。悪意のある情報すら、存在する。

一方、それを見る側の人間は、年齢もさまざまであり、体力も千差万別である。
500mの山を登るのがやっとという高齢者の方もいるし、3000m級の山をトレイルランニングできる人もいる。
つまり、同じ情報であっても、見る人が手本にしても良い情報ではない場合がある、という事である。

その情報は、「誰にでも可能」なことを書いてあるわけではないのだ。
ここが重要なところである。

この情報が「競争原理」の外にある場合はあまり問題ではない。
ただ、その情報に対して「負けてたまるか」という気持ちが起こる環境(登山系SNSの場合)である場合、自分の本来の体力以上のことをしてしまう可能性があるのである。

もう一度言う。「インターネットに書いてある情報は、どんな人にでも可能なこと」ではないのだ。

間違った情報を手本にしてしまうと、登山の場合、遭難してしまう可能性が非常に大きい。
インターネットに書いてある情報を参考にする場合、まずその情報をよく検証する必要がある。
これはとても難しい作業であり、誰かが代わりにやってくれるという事は無い。

自分の命がかかっている情報を、検証もせずに簡単に受け入れてよいものだろうか?
その情報の「質」は、十分に検討するべきだと思う。