2020年10月31日土曜日

自然の造ったものに同じものなど存在しない

 


海岸に転がる石ころには、何一つ同じものなど存在しない。
私は石を拾うようになる前は、そんなことすら知らなかった。

「石」というのは、皆同じものだと思っていたのだ。
似た石は確かにあるが、まったく同じものは、まったく存在しない。
たとえコンクリートのかけらであっても、ガラスの破片であっても、自然によって磨かれることで、ぜんぜん別の形のものになる。
丸いもの、角張ったもの、ざらざらしたもの、つるつるしたもの…大きさも、色も、バラエティーに富んでいる。
いろいろなものがまじりあっていて、どう言葉で言い表したらよいのか、まったく分からなくなるほどだ。
そういう存在が、無数にあるのだ。

良く考えてみれば、私たち人間にも、誰一人として同じ人間はいない。
みな少しずつ、違っている。
科学的に同じ存在だ、としても、形や色まで同じであることはない。

宇宙というのは、このように複雑な存在が無数に集まって出来た複合体である。
人間はそれに対して数値で物差しをあて、あれが同じで、これはちがう、と言っているにすぎない。
そんな理想的な存在が、現実にどうして存在するだろうか?
私たちは、じつは「本当には存在しないもの」に惑わされて右往左往しているのかもしれない。

現実そのものは、決して「こうだ」と決定できるものはない。
複雑すぎて、それを正確に言い表す方法がないのだ。

海岸の石ころたちは、私にそういうことを教えてくれた。

2020年10月27日火曜日

有峰紅葉最盛期 大多和峠まで

人を案内して有峰まで。
紅葉最盛期、観光客が多数。
今年初めて登頂した薬師岳を下から眺める。とくに大多和峠からの景観がとてもよかった。
北アルプスはすでに積雪があるようだった。今は秋と冬の境目で、登山するのは難しいだろう。
ヘリも飛んでいたので、もしかしたら遭難があったのかも。
上の方は雪面が光って見えたので、凍結している可能性がある。
八ケ岳の行者小屋のブログにも書いてあったが、今の時期、雪が溶けてアイスバーンになることがあるそうだ。
雪が浅く、アイゼン、ピッケルが役に立たないコンディションの事もある。
登ったは良いが、凍結の為身動きが取れなくなる人もいるそうだ。
こんな時期は、下から紅葉を眺めていたほうがよいであろう。
クマの対策はしていったが、ついに一頭も見かけなかった。
折立のキャンプ場にはまだいるのだろうか?
全山紅葉
薬師岳は、1800m三角点ぐらいより上は積雪あり
有峰ダムの横から
大多和峠から薬師岳
越中沢岳から浄土山、雄山に至る稜線
空の雲がきれい
北ノ俣岳も積雪しているな
黒部五郎岳はかなり雪がありそうな雰囲気だ
大多和峠の地蔵尊
大多和峠の標高は1295m
大多和峠より先は通行止めとなっている。かなり前から開通していない雰囲気がある
ダムサイトまで戻ってきた。有峰湖の水量は少ない
折立と有峰ダムコースの分岐
勾配の急な坂道に車を停めて、しばし撮影
和田川が下の方に見える。かなり切り立った谷である。

鎖国

 

海外安全情報(外務省)を見ると、今は全世界との人的移動が出来ないことがわかる。

日本に海外から新型コロナウイルスの株が入ってこないための水際対策が徹底されている。

事実上の鎖国状態。

濃い紫色は、今までは中東などの紛争地域にしか適用されていなかった。

新型コロナは紛争と同じレベルの危険であることが明らかである。

これがオリンピックのある来年までに解消するものだろうか?私はちょっと信じられない。

有効な治療薬、ワクチンが無い現時点では、来年の開催は無理なのではないか、と思う。

欧米では再び緊急事態宣言が出ている所もある。

これから冬に向かうが、さらにウイルスが勢い付いてくるのが心配だ。

杞憂に過ぎないのであれば良いが。

2020年10月26日月曜日

蛇紋石(サーペンティン)

蛇紋石は、かんらん岩(マントルを構成する岩石)が風化してできた超アルカリ性岩である。
元はかなり深い所から出てきた石で、ひすいを地下から押し上げた石でもある。
よく、「蛇紋岩あるところにひすいあり」と言われるのは、ひすいが蛇紋岩メランジュ(蛇紋岩がいろいろな鉱物を取り込んでできた岩石)に含まれるからである。
実際、蛇紋岩と一体になった形で出るひすいも存在する。

蛇紋石は蛇紋岩を構成する主な鉱物で、これが繊維状になったものがクリソタイル(石綿)である。
マグネシウム、鉄、ケイ酸から成る。
クロム、マンガン、コバルト、ニッケルなどが微量に含まれている場合がある。この影響で、蛇紋岩そのものは植物に対して有毒な場合がある。

ほとんどの蛇紋石は比重が軽く(2.2から2.9)柔らかく(モース硬度2.5から4)酸に弱い。
色は白、緑、黒など。
比較的硬いものをボウェナイトと言い、装飾品として利用する。
翡翠によく似ており、「蘇州翡翠」「ニュージェイド」などの名で、翡翠として売られていることもあるが、硬玉ヒスイとは全くの別物である。

ひすい輝石岩との違いは、比重が軽い、やわらかい、傷がつきやすい以外に、「磁石に付く」ことで判断できる。これは石に磁鉄鉱を含むためであり、蛇紋石を判断する決め手となる。

海岸にはかなり落ちているが、きれいな石もたまにある。
ただ、磨いたり切ったりすると、この石の成分が石綿と同じなので健康に悪いかもしれない(石綿とは結晶の形が違うので問題ない、とも言われている)

柔らかいため、加工しやすく、インドやヨーロッパなどでは昔から利用されてきたようである。
ひすい輝石が中国で尊ばれるにすぎない石であるのに対して、蛇紋石のほうはもっと広い範囲で利用されていたようだ。
確かに、緑色は一定の美しさを持っている。

 

蛇紋石。これも表面に細かい結晶が見えるため、ひすいと紛らわしい
光を通してみれば、美しいグリーンだ。ひすいと間違えられやすいのも、もっともだ。

最強のパワーストーン 水晶

私はパワーストーンの効果をあまり信じたことは無いが、水晶に関しては別である。
無色透明でガラスのような石を見つめていると、自然と心が落ち着くのである。
海岸で拾う石に透明感を求めてしまうのも、潜在的に水晶が好きだからであろう。

このサイトの説明によると(Natural Style) 水晶は以下のようである。

結晶形:六方晶形(三方晶形)
モース硬度:7
比重:2.6
色:透明、白、緑、青、紫、黄色、ピンク、濃淡黒色

石英の中でも無色透明で結晶形がはっきりしたものをクリスタル(水晶)と言う。
ギリシャ語のクリスタロスが原語で「氷」の意味を持つ。
日本では「水精」と呼んでいた。
パワーストーンとしては、水晶に始まり水晶に終わると言われる。清浄、万能のパワーストーンである。
古来より霊石としてあがめられ、「邪気払い」「幸運を招く」と言われる。
「気を浄化する」効果から、古い寺に埋められたりしていた。
きわめて純粋で、清らかなパワーを放つ石である。
自然の癒しに最も近い波動を持つ石が水晶である。
心と魂を清め、生命力を活性化させ、潜在能力や才能を呼び覚ます。
人間的成長を促し、霊格を高める。
負のエネルギーを吸い取る。良くない気を吸い込んだときは、浄化すべし。
すべての石を調和させ、それぞれの石の波動を共振させる。そのため、他の石を使ったアクセサリーに入っていることがある。

すばらしい効能が謳われている。占い師が水晶玉を使うのは、この石が最強のパワーストーンだからなのか。
特に「負のエネルギーを吸い取る」「いろいろな石の波動を共振させる」効果は、なるほど、その通りだと思う。
無色透明であるために、純粋な空気に近い。
人間の心の最深層に働きかけてくるような、ものすごいパワーを感じることがある。

昨日紹介した、玉髄の一部についている水晶と思われる部分。下まで完全に透けている。

紫色のものをアメジストと呼ぶ。
海岸で拾ったものは、しっかり紫色であるが、水晶ではない。細かな結晶が集まっているように見えるため、紫玉髄と言うべきである。
上の段は昔店で買ったものや、頂いたりした石である。お店のものは透明度が高い。海岸で拾った原石も磨けばこのようになるだろうが、私は原石が自然に磨かれたものである、という事実を大切にしているので、いっさい磨かない。


2020年10月25日日曜日

水晶 めのう 玉髄 碧玉

水晶、めのう、玉髄、碧玉はすべて石英の変種である。
成分はすべて二酸化ケイ素(SiO2)であり、庭の砂粒の中にも、泥の中にも、コンクリートに混ぜられる砂の中にも存在する、ごくありふれた物質である。
ガラスは二酸化ケイ素を主成分としている。

しかしながらこれのきれいな結晶は「水晶」と呼ばれ、純粋で透明な天然ものには驚くような高値が付くことがある。
また、上記のような多彩な形態をとり、それぞれが別の貴石として扱われる。
どこにでもあるが、これほど多様な形態をとる石は無いと言える。

海岸や河原を歩くと、どこにでも見られる石であるが、きれいな石はキープするようにしている。
こんな石との出会いも、石拾いを楽しくする。
これらはすべて石英が別の形態を取った石である。右上の赤い石は碧玉(ジャスパー)と言われるもの。
カーネリアン(紅玉髄)。石英の微細な結晶が集まったもの。オレンジ色
玉髄(カルセドニー)の縞模様があるものを瑪瑙(アゲート)という。これは白い縞模様がある。白い部分は蛋白石(オパール)だという。裏側は細かい石英の結晶で埋め尽くされている。
これは緑玉髄か、ブドウ石か、透輝石か、悩ましい石であるが、表面の結晶は石英のように見える。
玉髄のように微細な結晶ではなく、単結晶のものが水晶。これは玉髄の一部にガラスを思わせる単結晶の部分がある石。おそらくこの部分は水晶なのであろう、と思われる。

 

2020年10月24日土曜日

紛らわしい緑入りの玉髄

下の石は波の中から拾い上げた石だが、緑のスポットが見えたし、透明度も高かった。
「もしかしたら、高品質のひすいなのか」と期待していたが、乾いてくるとはずれだったことがわかった。
この「ガラス質」が、石英とひすいは共通する部分なのである。
あまりにも透明な石は、ほぼひすいではない。もしあったとしても非常に見つけにくいと思う。
たいてい、そんな石は拾われてしまった後だ。

期待すると拾えない。長時間の石拾いで疲労してくると、石英でもロディン岩でも、ひすいに見えてくるものである。あまり長時間やりすぎると、どこにでもある石がひすいに見えてくる。
「きつね石」とはよく言ったものだ。

つまるところ、自分の眼が自分を欺いているのである。
欲に駆られて拾うと、失敗ばかりする。
それは人生でも同じかもしれない(笑)
下の方に緑色のスポットが!これはもしかしたら、と思って拾った
光の通し方はまさにガラスである。比重は2.5なので玉髄で確定なのだが、〇印の部分の緑色が、水中では実にきれいに見えるのだ。まあ、きれいな石なのでサンプルとしてキープ。しかし紛らわしいよなあ。

 

2020年10月23日金曜日

結晶の形、大きさからひすいを判断することは不可能

ひすいは本当に難しい石だ。よく「ひすいはきらきらした結晶が見える」と言うが、この結晶の形は、素人目には石英と区別がつかない。石英の細かな結晶の集合体である「玉髄(カルセドニー)」は、見た目ですぐに分かるが、他の石と共存している場合はひすいと錯覚される可能性がある。
この場合、結晶はまったく同じ形に見えるだろう。
石英と混じる曹長岩にも、大きな結晶がある。しかし、この大きな結晶は、ひすいの表面にも現れる場合がある。
つまり、結晶の大きさ、形によっても、ひすいであるかどうかは、ほぼ区別がつかない、ということなのである。
下の写真は写りがよくないのだが、結晶を撮影したものである。
これは間違いなくひすいである(比重3.22であるから、理想的な比重に近い。かなり含有量が高いサンプルである。捨てられた端材であるかもしれない)。しかしその結晶の形は石英と見間違えるほどだ。しかも大きな結晶まである。そのため拾ったときは石英であると思っていた。
これも曹長岩に近いが、ひすいを含んでいると思われる石(黒翡翠なので比重は2.9。含まれるグラファイトの比重が軽いため、ひすいよりわずかに軽くなる)。表面の結晶はほぼ石英のものと変わらないように見える。曹長岩に含まれる石英が、表面に出てきてるのかも。
これは石英(比重2.5)。大きな結晶と、細かい結晶が混じりあっており、非常に紛らわしい。拾った時には丸いひすいかと思ったが、まったく違う。

これまでは結晶を見て拾っていたが、これも当てにならないことがわかってきた。
一体全体、ひすいというのはどんな石なのか?またわけが分からなくなってきた。
前から感じていたが、結晶が関係ないとすれば、どうやって判断しろというのか。
深い緑色を含んでいるというが、それはオンファス輝石や角閃石という別の鉱物による発色らしい。
つまり、色の濃いものは純粋なひすいではない。

2020年10月22日木曜日

全く拾えない日だった 越中宮崎海岸

今日は一週間ぶりのひすい拾いで宮崎海岸。 ニアミスも無い、全くの無収穫の日であったが、海岸を歩いて気分をリフレッシュできた。
波はとても穏やかだった
唯一拾えた石。ロディン岩だと思う。赤いのは単斜灰簾石と言うものらしい。昔はこの石をピンクひすいと呼んでいたという。
大鷲山。クマが怖くて行けない
勝山が見える。今日はあそこまで行ける時間がない
宮崎海岸はとても良く整備されている
ひすいテラス
ぽつんとあるテトラ
平日にも関わらず、大勢の人たちでにぎわう。
GO TOキャンペーンの影響だろうか?