人類誕生 未来編
外に出られないので、BS1でやっていた『人類誕生 未来編』を少し見ていた。
人類の系統樹を見ると、およそ200万年前に、ホモ・ハビリスとパラントロプスに大きく枝分かれする。
この時に、一方が絶滅したのは「道具」を使わなかったからだ。
またホモ・エレクトスは「心」を持ったから生き残ったとか、ホモ・サピエンス(現生人類)は氷期の到来で一時1万ぐらいまで個体数を減らしたが、南アフリカの先端で「ムール貝」を食って生き延びた、とか学校では習わないレベルの知識が得られたのでとても良かった。
私はムール貝が大好物であるが、その理由がなんとなく理解できた。
過去の人類はたくさんの種類がいたのに、今はホモ・サピエンス属一種である。
もちろん、滅びてしまった人類の遺伝子を一部受け継いではいるのだが。
人類が滅びるのには多くの要因がある、と思う。
ノーベル生化学賞をもらった山中伸弥教授によると、人類は遺伝子の意図的な操作によって、滅びるかもしれない、ということだ。
今、世界中を混乱に陥れている新型ウイルスが、中国の研究施設から漏れたのではないかという疑惑を持たれている。
武漢病毒研究所は、危険なレベルのウイルスを扱う施設であり、ここで研究の為に飼われていたコウモリのウイルスが外部に流出したのではないか、というのだ。
これはアメリカも真相を全力で究明すると言っているから、あながちデマでもない。
中国は火消しに躍起になっているが、その慌てようから、かえって疑惑を大きくしているように思う。
仮に遺伝子操作によって作られたものであったとしても、それがこれだけ広範囲に広まって大きな被害を出していることが問題である。だとすれば、この災いは、人類が自ら招いた災いである。
他にも、人類は自然環境を破壊し、地球の気象まで変えてしまっている。
これも、人類が自ら招いた災いである。
人類は「科学」という、人間に都合のいい技術を作り出し、他の生物や、過去の化石エネルギーを栄養源として、これまでにないほど数が増えている。
現生人類にとって「幸せである」ということは、金銭的に豊かであり、健康で、飢えに苦しむことなく、知識が豊かで、滅びずに子孫繁栄し数を増やしていく、ということである。
それが「善」である、と何の疑いもなく信じ込んできた。
今の世界は、この価値観の力があまりにも強すぎるのである。
人類は、存続すべきである、あなたも人類だからそうしなければならない、という同語反復が繰り返されている。それに反する考え方をすると、とたんに批判を浴びてしまう。
おそらく人類はこの危機を乗り越えるであろう、と思う。
しかし、仮に乗り越えても、人類は相変わらず数を増やし、自然を破壊するという問題は、解決できない。
今回のウイルスが、科学自身の力の持つ破壊力の一部であったとしたら、その力はどこからやってきたのだろうか。
科学を生み出した人類は、実は大自然の生み出したものでもある。
生み出した母体を破壊してしまえば、生み出された存在も無くなってしまうだろう。