良い山に登った後の感動は、後からじわっと来る。
虫に追い立てられながら、苦しみながら登った目の前には、雄大な北アルプスの大パノラマ。
360度遮るもののない山頂に立てば、さらに高い山々がちっぽけな自分を見下ろす。
最近マイナス思考ばかりだった。コロナで世界は先行き不透明。いろんなことがとても良くない状況にある。
それでも、目標を見失っちゃいけない・・・
そんなことを思いながら、Seamoの「One Life」を聞いていたら、山頂での光景が蘇ってきた。
まっすぐ前には薬師岳。虫にまといつかれてくすぶっているのは、今の自分そのものだ。
こんな大きな自然の中にいて、どうして気が付かないんだろう?
普段、こんな自然のルールの中で自分が生かされている、ということを。
この造形がどうやってできたのか?そんなことが人間の力で分かるはずもないし、これをどうすることもできない。
ただ、ひれ伏すだけである。そして感謝するだけである。
これを受け止めるしかない。それ以外、何ができるというのだ。
この導水管を辿れば、まっすぐまたあの山頂に行けるのだ。
山に登ることの意味は、一人で見つけるしかない。
命を失うかもしれない。しかしそれはいつも通り生きていても同じことだ。
ならば、何か目標をもって、また歩みなおすほうが良いのではないか?
人生も半ば過ぎ、これから先の事を案じてみても仕方がない。
一歩一歩、山頂に向かって歩けば、いつかはどこかに至れるのではないか。