スマートフォンを利用して、簡単に登山届を提出できるサイトである「コンパス」。
公的機関とも連携が進み、今までは問題なく使えていたのであるが、最近iPhoneから提出するときに、ページのリロードが頻繁に発生するようになった。
調べてみると、同じように思っている人がかなりおられるようだ。
iPhoneアプリの評価もイマイチ。
どうも問題がありそうだ。
そこで、mt-compassサイトの吐き出すソースを読んでみたところ、かなりグチャグチャだと思ったので書いておく。
まず目に付いたのが、サイトのSEO対策のためのサイトの見出しや詳細。
これは検索エンジンがサイトの情報を収集するときに必要なものだ。設定しておくと、この検索ワードで検索したときに、表示されやすくなる、と言われている。
「登山計画、登山届け」は良いとして「山ガール」は必要なのか?
さらに詳細のところでは、
「初心者の山ガールも分かる‥」!
これでは「サルでも分かる」何とかと同じじゃないか。
このサイトを普及させたいのは分かるが、山ガールと書けば検索順位が上がるとは限らないよ。
それに、山ガールに失礼だと思う。
山ガールでも、そこらへんの登山者よりは、知識や体力に関して、よほどすごい人もいる。
適当に書いたのかもしれないが、検索エンジンにとっては大切な情報だ。
もっと真面目に書いてね、と言いたくなる。
そして、このページはjavascriptを使いすぎだ。
その分、ブラウザに読み込まれるデータが多くなり、ブラウザに負担がかかる。
実際、私の使っている古いiPhoneでは、クラッシュしてしまう。古いと言えども、クラッシュすることは今でも滅多に無い。
山では電波が弱いこともあり、できるだけ受信するデータは少ない方が良いのにもかかわらず、この設計は何なのか。
登山する人の気持ちで作られたサイトではないことが、この時点でよくわかる。
多国語対応という要件があったのかもしれないが、まず大きなwovnというライブラリを読み込み、見栄えに関係するJQueryを読み込んでいる。
電波の少ない山で使うアプリに、見栄えなんて必要なのだろうか?
しかもその割に、ページ遷移の際に、javascriptで強制的にページを飛ばしたりする。
location.hrefはあまり使いたくない命令だ(JQueryで統一するならば、$.ajaxという命令があり、POSTで値を渡すこともできる。)。
第一、javascriptがoffになっていれば、ページ遷移すらしないから(ここは、HTMLのSubmitで値を渡して欲しい部分だ)。
またソースが読み難い。javascriptがモジュール化されていないために、ソースの中にバラバラに配置されている。これは、誤動作を招いたりする。
行き当たりばったり、大急ぎで作った印象だ。
この他にも数え切れないほどの問題がある。
上に引用したリンク先の方も言っておられるが、このサイトは作り直した方が良い。
このサイトを設計した人は、あまり山のことを知らないのではないか、と思う。
実際に登山する人が作るならば、もっと違うものができたと思う。
せっかく行政と連携して、登山届を提出できるという、画期的な取り組みなのに、入り口がこれでは、かなり残念だと言わざるをえない。