著名な野口健氏の同行カメラマンを長く勤められた平賀淳さんがクレバスに落下して亡くなられた。
心からご冥福をお祈りする。
アラスカのデナリ(マッキンレー)で撮影中、突然スノーブリッジが崩落、クレバスに落下し雪と氷で埋まってしまったという。
雪山では上の写真のように、硬い雪の上を歩くことができるが、いつ崩落するかわからない。
下までの距離がどのくらいあるのかも、雪の上からではわからない。
夏道を登ったことがあれば、あるていど高さは覚えていることがあるのだけれども。
上は去年大日岳を登った時の写真なのだが、一部に2~3mの高さのある場所がある。
上からは完全に平坦にしか見えない。下は水が流れており、空洞になっている。
落ちればけがをすることは間違いないので、真ん中は避けなければならない。
デナリのような、一年中氷に閉ざされたような場所では、どこが地面なのか、まったくわからないと思う。
また、「ヒドゥンクレバス」という、上から見ただけでは分からないクレバスも存在する。
雪や氷の上を歩くという事は、常にその危険を意識していなければならない。
日本では特に今の時期、残雪の上を歩く機会も多いが、突然踏み抜いたりすることがある。
もちろん、アラスカとは比較にならない規模ではあるが、気をつけて、危ない所は歩かないようにしなければならない。
野口氏は「もう山は疲れました」とおっしゃっているようだが、長年の盟友であったカメラマンの山での死。無理もない。また同じく盟友であった谷口けいさんも、以前山で亡くなられている。
改めて山は恐ろしい、と思うと共に、これから自分はどのように山に向かって行こうか、考えさせられる出来事でもあった。