2019年6月23日日曜日

絶滅した生物フズリナ



約3億年前、この化石のような、糸巻きみたいな生物が大繁栄していた。この生き物は、単細胞で、しかも石灰質の殻を持っていたというのだ。およそ1億年に亘って繁栄していたが、生物の90%以上が絶滅したという「ペルム紀大量絶滅」によって、あっというまに絶滅してしまった。

青海黒姫山や明星山を構成する、秋吉帯の石灰岩岩盤にはこの「フズリナ」という生物の化石が含まれている。
つまり、これらの山はこの時代の地盤である、ということになる。

それにしても、3億年とはなんと遠い昔であることよ。
人類の最初の祖先が誕生してから、まだ500万年ほどしか経っていない。

この地盤が作られたのは、その60倍ほども昔のことだ。
それが、今地表に現れて、人間によってコンクリート、肥料やらボンド、コークスや薬やゴムの原料として使われている。

現在からすると、このようななんとも表現しがたい奇妙な生物や、大昔の珊瑚礁が巨大な山を作るほど繁栄していた時代があったなんて、とても想像もできないだろう。

もしかすると、ずっと遠い将来に、未来の生物によって人間の化石が発見されて、「こんな奇妙な生物が繁栄していた時代があったなんて、信じられない」と言われる日が来るのだろうか?

大地は、小さな人間の脳では考えられないほどの記憶を刻んでいる。

明星山の竜護の尾根を作っているひび割れた石灰岩。ところどころ白いのは、サンゴの化石なんだろうか? 2019/06/18