2019年3月1日金曜日

単独登山は究極のソロ活

乗鞍岳山頂から下る
最近「ソロ活」(個人活動)というのが流行っているらしい。
分野はフットサル、ダンスとかカルチャークラブまでと幅広いようだ。
しかし、なぜか登山は含まれていないようだ。
やはり「登山を一人でやるのは危険だ」という認識が、社会的常識となっているのだろうか。
単独登山はたしかに危険を伴う。もしも下山不可能になった場合、命の危険があるのはもちろん、多くの人に迷惑をかけることになるからだ。

『ドキュメント 単独行遭難』という本も出ている。一読してみたが、人間はなかなか簡単に死なないものだ、ということはわかったし、遭難すると大変な迷惑がかかるということも理解できた。

しかしそれでも、私は単独でしか山に入れない。登山を趣味にする人が周りにいないし、いたとしても時間が合わなかったり、暇の無い人ばかりだから。

単独登山を「ソロ活」と言ってしまえば、これほど「ソロ」に徹するソロ活は他に存在しない。半径数キロメートル以内に、おそらく人間は存在しないであろう、という山に入ることもある。多分文明社会の中で、唯一完全な孤独を味わえるのが、マイナーな山への単独行ではないだろうか?

雪崩、滑落、道迷い、危険な野生動物、落雷、低体温症などの危険に、たった一人で向き合うことが要求される、極め付けに危険な「ソロ活」。

万人にお勧めできる活動ではないことは、間違いないだろう。

それでも続けるのは、ひとえにこの軟弱な「私」を心身ともに鍛える必要があるからである。
それによって、自分が生きていることの意味を見出だすことがいつかできたら、という淡い期待を持って、この「徒労」を続けている。