理研が設立されて間もないころ研究員に招かれ、それ以降理研の飯盛研究室を運営されていた化学者、飯盛里安博士が戦後合成した人造宝石であり、製造方法を明かさないまま他界されたため、現在では誰も作れない。
オーストラリアのJohn Bennett氏がスターバースト・ストーンとして再合成しているが、本人も言われる通り、オリジナルのイイモリ・ストーンに似た、違う石である。
私は以前、家のどこかでこの石を見たことがあるような気がして、ずっと探していたが、今日やっと見つけた。
おそらく、50年以上前に作られた石だと思う。
本物のタイガーアイかキャッツアイかもしれないが、本物にはこのような色のものは無いような気がする。
一番似ているのが、猫車さんが販売していた「灰色」の石だ。
激しい変彩効果(シャトヤンシー)を持ち、動かすと実に美しい。
長い年月が経過しているにも関わらず、傷、欠け、ひびは一切確認できない。
しっかり作られた石だ、という事が分かる。
当時の日本では人造宝石の評価は低く、「ガラス」扱いしかされていなかったようであるが、海外では高く評価された。当然ガラスとは本質的な違いがある。
半世紀以上も前、日本人は確かにすばらしい技術を持っていた。
かつては世界に通用していた技術も、最近ではだんだん海外に押されてしまっているように思う。
いったん技術が途絶えてしまったら、もう誰も再び作ることはできないのだ。
そういう技術が、今の日本にはたくさんあるように思う。