2021年10月1日金曜日

指示なのか参照なのか(reference)

 


或る英語の翻訳本を読んでいて、「reference」という単語が「指示」と訳されているので、「こんな意味があるのかな?」と思った。
一般的な訳では「reference」という単語は「参照」「言及」「論及」「引用」などと訳されている。
「指示」という意味はどこにもないではないか。

たしかにコンピューターの世界では「参照」に「指し示す(ポインタ)」の意味はある。
実体を指し示すもの、という意味でつかわれることがある。
しかし、だからといって一般的でない使い方である「指示」を使う事は、訳語として適切だろうか?

「参照」と言った場合、「何か別のソースを使用した」とかいう意味になるだろう。
だからといってそれそのものを、「示すこと」にはならない。あくまでもそれを使った、という事である。

英語の本の日本語訳では、しばしばそういう「意訳」が見られる。
そのため、英語のもともとの意味、意図するところが正しく捉えられない事がある。