2021年3月13日土曜日

ひすいについてのまとめ

 

ひすいシーズンも終了したことだし、今までの拙い経験から、私がなんとなく思っていることをまとめて書いておく事にした。

① ひすいは「青い光」を放つ石である。

糸魚川で拾えるひすいのかけらは、白、緑、ラベンダー(藤紫)、灰、黒、青がほとんど。
しかし、見える光以外に、白、緑、ラベンダー、青はかならず「青い光」を成分として持つ。
分光分析では、特徴的な青のスペクトルを確認できた。

② 黒には2種類ある

黒いひすいは、濃緑のものと、漆黒のものがある。
濃緑のものは「オンファス輝石」であり、ひすいではない。
黒の物はグラファイト(石墨)を含んだひすいである。
灰色は、グラファイトが薄いもの、他の鉱物に由来するもの、がある。

③ 光を透過するひすいはほとんど見つからない

光を透過するきれいな石は、ほとんどが石英質の別の石である(曹長岩であることが多いように思う)。
本物のひすいは見かけがきたならしく、みすぼらしく、思わず捨ててしまいそうになるぐらい平凡な石が多い。
光をきれいに透過するような石は、かなり少数派である。

④ 結晶はあてにならない

これが一番紛らわしい。ロディン岩、曹長岩、玉髄、ソーダ珪灰石などにはきれいな結晶が見られる。
また質の良いひすいは結晶が細かすぎて肉眼ではよく見えないことも多い。
「きらきらした結晶がある」からひすいである、ということは言えない。

⑤ 比重は判断材料としては使える

比重の軽いひすいは無い。ひすいが混じった石は当然比重が軽くなるが、2.9より軽いものはめったにないような気がする。

⑥ ひすいは「冷たい」石である

ひすいハンターで、突然口に放り込んで「舐めてみる」人がいる。
これはひすい独特の「冷たさ」を感じるためであろう、と思っている。
ひすいは温まりにくく、冷めにくい石である。

何かの参考になれば、幸いです。