|
2019/8/26 頸城駒ヶ岳 一番急な場所にさしかかる |
低山の定義はいろいろあると思うが、一般的に低山と言えば、1500m以下の山を指す。
標高が低いと、夏場は暑いし、虫も居るし、ということでどうしても敬遠されがちだ。
7月、8月はアルプスや北海道が良いと思っている人がほとんどだと思う。
確かに、アルプスや北海道の山はこの時期にしか、登れない。
9月になれば、雪が降ることもあるので。そこで、例年夏にはたくさんの人がアルプスを目指すわけである。
しかし、夏場の低山というのは、そこまでひどいものなのだろうか?
私は今年まだ、ただの一度も、アルプスには登っていない。
それでも今年は結構登ったなあ、という感覚がある。
糸魚川市にある有名な山を中心に、去年の雨飾山から始まり、青海黒姫山、明星山、そして頸城駒ヶ岳まで登ることができた。
ほとんどが1500m以下の低山であるにもかかわらず、結構充実していた、と思っている。
全体的に山が険しく、急登ばかりを登ってきたように思う。
登山道は整備されているが、それでも北アルプスの登山道のように、まるで遊歩道のようにはなっていない。ところどころ、踏み跡が不明瞭だったりする、本当の山道だ。
こういう道を歩くと、「山を歩いたなあ」と思えるのだ。
夏の低山が思ったよりも不快でない理由は幾つかある。
ただ、あまりにも暑い時は、本当にダメである。
1、真夏でも、予想より暑くない
低山は木が多いので、適度な木陰ができる。そこに入れば結構涼しい。
アルプスには木がないので、直射日光にさらされる。これが実に暑いのだ。
2、虫は予想以上に少ない。
春先はダニがいるが、真夏には少ない。スズメバチの活動もあまり活発で無い。
アブ、蚊、ヒルなどは、虫よけや蚊取り線香で、ほとんど防ぐことができる。
スズメバチが活発に動くのは秋口である。
かえって、真夏の北アルプスの稜線には多量のブユがいる。
3、登山者が少ない
真夏の北アルプスなどは、大混雑でうんざりするが、低山は皆が敬遠するので、静かな登山が楽しめる。日帰りで登れる山がほとんどなので、時間的にも余裕である。
以上に列挙してみたように、夏の低山は、一般的に言われるほど、ひどい場所ではない。
ただ、暑いことは暑いので、熱中症対策は必要になる。
しかしながら、低山には美味しい水場のあるところが多く、水確保には意外と困らない。
標高が高いと、水の湧いているところは、ほぼ無いと思った方が良い。
そのため、北アルプスの山小屋では水を売っているが、2リットルで1000円ほどもする。わざわざ登山者のために、ヘリコプターで運んでいる。高山において、水は貴重品なのだ。
夏場の北アルプスの雪渓は泥で汚れていて、バーナーで溶かしても、飲めたものではない。