2019年8月26日月曜日

頸城駒ヶ岳 危険な登山道だった 滑落したら終わりだな

先週の薬師岳が中止になった。
ということは、今月もう泊山行はできないということだ。
そこで、以前から計画していた糸魚川の「頸城駒ヶ岳」に行くことにした。

行ってみて、予想以上の急登に驚く。
この山は今年、6月の開山式の下山途中で、一人滑落して亡くなられている。
もちろんいつものように、単独。アドレナリンが出まくる!
しかも本日は、海谷三峡パークの所で、草刈りの方にあっただけで、登山中は誰とも出会わなかった。
そのため、普段以上に緊張し、慎重を心がけた。
この山は距離が短いと侮ってはならない。十分に危ない山。
雨飾山、青海黒姫山、明星山より、明らかに難易度は上。

駒ヶ岳ロッジから165分(2時間45分)と書いてあるが、3時間ぐらいは余裕でかかるだろう。

岩の上に苔がむしており、ツルツル。

ロープはしっかり整備されているが、上部の垂直に近い急登の所に、倒木があり、これが本日の核心部であった。

いつ滑るかわからない倒木の下の急坂を歩くのである。
生きた心地が、しない。


本日のログ。往復6kmあまりだが、序盤の急登のところの等高線の混み具合をご覧になってほしい。

車窓から見る、頸城駒ヶ岳。異様な形をしている。以後、写真は時系列が逆である。
駒ヶ岳ロッジ。施錠されており、中には入れない。

登山口なのだが、草がかなり生い茂る。夏の間にかなり伸びたのだろう。そのため踏み跡が不明瞭な箇所あり。注意。

この辺りまでは、それほど急登ではない。この後に、経験したことの無いような恐ろしい坂が待ち受けている。

振り返ると、糸魚川の街が見える。海が近いのは、糸魚川の特徴だ。

しばらく進むと、「第一関門」、アルミ梯子登場!

下は固定されていない。梯子の途中で、木の棒にロープが固定されている。間違って踏むと滑る。とにかく慎重に!この梯子は大きなスラブをへつるところにつけられている。上部は苔むした岩なので、極めて危険!気を抜いてはいけない!北アルプスの梯子とは比較にならないほど、よく滑る!標高が低いために、苔が付いているのだ。

梯子上部の岩は、切れ込みが数カ所入っているだけだ。非常に細く、足場は10cmもない。危ないっす!

横を見れば、海谷渓谷につながる大きな一枚岩。頸城駒ヶ岳も、よく似た山なのだ。

しばらくすると、ロッジが小さくなってくる。かなり登ったのか

頸城駒ヶ岳のスラブ。脆そうな岩だなあ。

しばらくすると、スラブに梯子がかかっている。これが「第2関門」だ。この梯子、真ん中に足を置かないと、バランスが取れない。ザイルで作った梯子なので、ザイルが”ビヨーン”と伸びるのです!。怖いです。しかも下部は壊れています。設置してある鉄梯子を使ってください。

梯子を過ぎても、一向に急登は終わりません。それどころか、ますます斜度を増して、このような垂直に近いものも出てきます。剱岳の早月尾根の「滑る」バージョンですね。先ほどから雨が降ってきそうな気配なのですが、降らないことを祈りながら登ります。

これが、本日最大の難所です。写真ではよくわかりませんが、この場所は極めて傾斜がきつい。そこに倒木が道を塞いでいるのです。しかもボロボロの木です。この下をくぐり抜けなくてはなりません。もしも木が滑ったら、まちがいなく、下敷きになります。上に登れば、多分折れます。生きた心地がしませんでした。

さらに歩みを進めると、尾根はさらに痩せてきます。ちょっとでも油断すると滑落します。

細い尾根ですが、崩れているところもあります。ここまで来れば慣れますが、落ちたら終わりです。

道幅20cmもないと思います。下は断崖絶壁。足場の下は、木の根っこです。空中に浮いているような錯覚を味わえます(笑)

この山はテーブル状の山なので、上の方に行くと途端に傾斜が緩くなります。この、赤い標識は多分下山時の注意を促すものだと思うのですが、上りの時はこれが見えたら、傾斜は緩くなります。

あともう少し。今までの急登が嘘のように、普通の登山道になります。


根知谷ルートと合流すると、山頂は目の前です。

残念ながら、ガスで曇って何も見えませんでした。

ここから先には、鬼ヶ面山、鋸岳へ続く縦走路がありますが、「北アルプスのどんな急登よりも急だ」と噂される恐ろしい道だそうです。ここまででも十分急登だったのに、さらに急登があるなんて。信じられません。