谷川岳を登る三木谷社長
”ビジネスは根性だ”という三木谷社長。
楽天をあれだけ大きな会社にし、今度は携帯電話のキャリアになるという。
粘り強い前進力は驚異的だ。
しかしこの「根性」というのは、言葉で言うほど生易しいものではない。
限界を超えた地点から、根性が始まるのだから。
あきらめない しつこく食いさがる 不安と恐怖におののきながらも、前に進むしかない、というのは、確かに登山で鍛えられる精神だ。
ここで倒れたら、遭難だ。人に迷惑をかける。何としても自力で下山する。
無事に下山するには、どうすれば良いか。
昨年、今の時期に剱岳に登った。
剱岳は日本で一番きつい山だと言われるが、最初のうち、私はこの山の日帰りにこだわった。
数回失敗し、「自分の体力でこの山の日帰りは無理だ」という結論に至った。
山小屋に泊まったが、それでもやはり試練であった。
剱岳の登山道の険しさは、どの山よりも激しい。
途中で断念しないためには、自分の体力にふさわしい計画を立てなければならない、と思った。
三木谷社長の言う「根性」とは、「無謀」のことではないと思う。
己の実力を知り、それでもその限界に向かって行こう、という気力なのだと思った。
最近は暑さのせいにして、どうも自分を甘やかしているように思う。
これでは、だめだ。
しかしながら自分で最高の力を振り絞っても、届かないものもある。
事実、剱岳を日帰りする人は沢山いる。
また、八ツ峰や北方稜線をロープを使いながら、クライミングする人もいる。
自分の体力、実力、根性がどれほどのものか、よく自覚することも大切だ。
上には上があり、どうあがいても届かない峰もある。
しかし、前に進む歩みを止めてはいけない。
自分の目標は、自分の限界だ。
それにチャレンジし続けることがより大切なのだと思っている。