登山を始めた時は、これほど長く続けられるとは思っていなかった。
デスクワークだったので、「腰痛対策に筋肉を鍛えよう」ぐらいの気持ちでしかなかった。あと、気が滅入ることが多かったのもある。
頭でどれだけ考えるより、「何かやってみる」方が良い、と実感させられた。
実際に山に登れば、写真やSNSで得られる情報とは比較にならないほど、多くの経験をする。いや、写真がそもそも「絵空事」であることを、はっきり自覚することができる。
どれだけ文章でその素晴らしさや、辛さ、達成感などを書き綴っても、けっして「そのもの」ではありえないのだ。
これははっきり言える事である。
これは、何をするにしても同じだと思うのだ。
想像していたより、ずっと良いこともあれば、つまらないこともある。
いずれにせよ、「実際にやってみないとわからない」のである。
ひすい拾いにしても同じである。ひすいがいかに拾えないものであるのか、そして海岸に落ちている石が、いかに品質の悪いものであるかなどは実際に行って体験してみないとわからない。
だから人生において、頭の中だけで考えて「これはだめだ」と思うのは良くない。
やってみて、とてもできない、と思えば無理にやる必要はない。
ただ、それを判断するためには「とにかくやってみる」ことが必要だと思う。
でなければ、どうして判断できるだろうか?
決して登れない、と思っていた山に登れたこともあれば、
こんな石は拾えない、と思っていた石を拾ったこともある。
逆にひどい目にあったり、危険な目にあったこともある。
人生、寝ていても死ぬときは死ぬ。
あまり恐れないで、自分がやれることをやってみる、ということだと思う。
なんだか「うんちく」を垂れているみたいで嫌な文章になってしまった。
しかし、インターネットの世界では得られないものが、実際現実世界で何かをやってみる事で得られることが伝われば、いいなと思ってこの文を書いてみた。