「蛍石に紫外線を当てると、ものすごくきれいだ」と聞いたので、紫外線LEDライトを入手。紫外線ライトは、直接見ると目に激しいダメージがあるので、UVカット眼鏡と紫外線カット99.9%の雪山用ゴーグルを装着し、蛍石に照射してみる。
このライトは1灯式で、波長は375nm。青色LED開発者の中村修二博士がいた日亜化学工業のものである。発売は大阪のコンテック。物は確かだ(あやしい品物ではない)。
よく、「宝石用は365nmがきれい」と言われているが、波長が短ければ短いほど、紫外線としては強力になるらしいので、いきなり冒険はしない。
※ 警告 このページで使用している近紫外線は可視光と比較して約10倍のエネルギーを持つ光です。(短波紫外線になると、エネルギーは100倍ぐらいになります)普通のランプより10倍明るい電灯を想像してください。とても直視できるものではありません。危険なので決して紫外線ランプの光源を見ないでください。
危ないから決して光源を直視するな、と警告されている。ライターの火と同じぐらいの注意が必要である。 |
まずはルビーに照射。真っ赤に蛍光した。コランダムは赤く光るらしい。 |
オパールはうっすらと緑色 |
これはグラス越しでは緑色に見えたのだが、iPhoneのカメラでは、激しく青白く蛍光している。光っている鉱物はなんだろう?オパールだから、方解石ではないだろう。 |
これは蛍石を含んだ石 |
蛍石は青い蛍光を放つのが特徴 |
紫色も混じるとても強い蛍光だ |
---------------------------- 糸魚川の海岸で拾った石
ひすいを含んでいると思っている石 |
紫外線照射によって、「クロム透輝石」の可能性が高いことが判明(つまり、ひすいじゃない)。クロム透輝石自体は、かなりレアな石で、北海道のものは「日高翡翠」という名で呼ばれた。これも紫外線のおかげ。
可視光では全く分からなかった、白いライン。透輝石は白く光るという。そして、下の方に赤く光る鉱物 |
赤く蛍光する鉱物。長波で赤く光るのは、クロムイオンを含んでいることを意味する。ただし、コランダムではなさそうだ。 |
透輝石とクロム分があるということは、クロム透輝石か?あるいは菫泥石か?コスモクロア? |
鉄分、銅成分を含むものは、全く光らない。
ゆえに、はっきりひすいとわかるものは、光らないものが多い。
ただし、石目が白く光るものがある。
紫外線を照射してみることによって、いろいろとわかることがある。
ロディン岩は透輝石、ベスブ石などでできているので、白く光ったらロディン岩なのかもしれない。
だとすれば、ひすいを見分けるのに役に立つだろう。