2022年10月14日金曜日

晴れた山ばかりが良いとは限らない

 


おとといの山行は一日中ガスの中の山行だった。人形山は晴れていれば非常に景観の良い山である。
今回が3回目であったが、一回目は台風の接近で非常に風が強く、2回目は青空が一瞬見える程度だった。
1回目の時は、小さな滑りやすい登山靴で登ったため、途中ご一緒した老人から「今後登山を続けるつもりならば、靴を変えたほうが良い」と忠告を受けた。

若かったので、そのお言葉を素直に受け止めることができず「高い靴を買い換えられるわけがない」と思い、そのまま履いていたが、このためにずっと苦しめられることになった。
靴のサイズがどれほど重要か自覚するのは、それから5年後だった。
早月尾根を下山中に味わった足の痛みは、今でも忘れられない。

2回目はわずかに景観を見ることができた。しかしながらこの時もすぐにガスが湧いてきて、下山中はほとんどガスの中であった。
この山はなぜか、気象の変化が激しい。風も強いことが多いように思う。周りに目立った高い山が無いからだろう。

そして今回も真っ白なガスの中を登山する事になった。
しかしながら、このような条件でも、がっかりすることは全くなかった。むしろ登りやすかった。
やはり直射日光にさらされないので、とても涼しいのである。
暑いと2倍も3倍も疲労する。
また、遠くの景色が見えない分、「歩くこと」そのものに集中でき、転倒やスリップが少なくて済んだ。
足元ばかり見ているので、登山道の状況が正確に把握できるのである。

登山は「歩き」が基本である。
その「歩き」をいい加減にしていたのでは、いい登山になるわけがないではないか。