2022年4月27日水曜日

白馬もひすいの産地のひとつ

 白馬、小谷村もひすいの産地

良く知られているように、糸魚川付近にはひすいの産地が三か所点在している。
それらに共通するのは、超苦鉄質岩(カルシウム ケイ酸含有率が低い、主に蛇紋岩で構成された地質)と泥質変岩があること。
蛇紋岩は、マントルの成分であるカンラン岩が水分と反応してできる。
すなわち、蛇紋岩は地下から噴き出したマントルが変質したものである。噴き出す時、ヒスイなどの鉱物を地下から一緒に押し上げた、という説が一般的(このほかに熱水起源説がある。これは近くに石灰岩があることに関係しているかもしれない)。
日本列島が形成された時に、プレートの運動で地表に出てきたものである。
糸魚川のヒスイが作られた年代は5億年前であり、地球上で最も古い。

ひすいの産地は

1、明星山の上流域
2、青海川の上流域
3、八方尾根あたり

でいずれも蛇紋岩がある、地質的に脆い場所である。
地質図で見ると、わりとはっきり特徴が見える。

出典:産総研地質調査総合センターウェブサイト(https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php)を加工して利用

白馬のひすいはあまり品質が良くないようだ。ひすいと同じような場所に産出するロディン岩がほとんどだという。
しかしながら、5億年の昔に生成されたヒスイやその他の鉱物が、マグマと一緒に湧き上がってくることに驚いた。
地球の営みは、人知を超えている。

八方尾根の八方池付近。このあたりが地質図では蛇紋岩帯になっている。