2020年11月28日土曜日

医療崩壊寸前

 


夏の間はおとなしかった新型コロナウイルスがまた猛威を振るってきた。
東京、大阪など大都市圏では、急速に感染が広まってきて、医療崩壊寸前である。
今は、特に登山は控えておいたほうがよさそうだ。今まだ余裕があっても、今後3週間の間にどんな状況になっているか、まったく予想できない。病院に迷惑をかける可能性のある「危険行為」はしないほうが良い。

なかなか終息の兆しが見られないコロナ。
自然のリズムの中で、人間が自然破壊を繰り返し、科学の名の下でバランスをおかしくしてしまった結果なのかもしれない。
科学は人間中心主義の思考法である。人間以外の存在は「物」「物質」でしかない。
「西洋文明」が一番優れている、という思考は批判されたが、今度批判されるのは「人間」中心主義かもしれない。

昔の人たちは、自然との共生を社会のシステムに組み込んでいたと思う。
今のように、電気も石油も何もない状況の中で、木を燃やして暖を取り、畑を耕作し、海で魚を釣り、生きていたのである。医療も進んでいなかったので、多くの人が死んだのであるが、それも自然のバランスを保つ要因だったわけだ。
人間だけが数を増やすという状況にはなりえなかった。

人間は自然を「敵」とみなして発展してきた。厳しい自然環境を変えることで、これだけ数を増やしてきたのである。
「人間中心主義」が生まれるのは、当然の成り行きだったと思われる。

しかし、あまりにもそれが進むと、自然の循環システムが壊れてしまう。
地球は一つの生命体だ、という「ガイア理論」によれば、人間はバランスを壊している最大の存在だ。

自然のシステムがバランスを取るためにコロナウイルスを送り込んできた、とすればとても恐ろしいことだ。
われわれは、自然にとって「多すぎる」存在だとみなされているわけであるから。

自然を「敵」だとみなして発展してきた人類は、逆に自然にとって「敵」でもあったわけだ。