オパールは水を含んだケイ酸(二酸化ケイ素)である。水晶が二酸化ケイ素の結晶であるに対して、オパールは非晶質(結晶していない)という特徴がある。
ひすいにせよ、コランダムにせよ、鉱物は結晶するものだと思っていたが、これはちがう。
オパールは熱水の中のケイ酸成分が、球形に析出したものだ。
事実、温泉の中の枯木が100年ほどでケイ酸成分に置き換わったという報告もある。
熱水に含まれるケイ酸はさまざまな物を核にして析出する。
細かな砂粒や鉱物を核にするものが「玉滴石」というオパールの小さな粒で、立山の新湯で生成されているものが有名である。
また、貝殻、骨、枯木もオパール化する。ケイ酸分子がしみ込んで、ついには元あった物質を置換してしまう。
昔の生物の死骸で、オパール化したものは非常に珍しく、珍重されている。
この石は、一つの石の中に、あらゆる対立を含んでいる。しかもその対立が全体の中で解消されて、一つの「美しさ」を作っている。
オパールの魅力を語るのは、とても勇気がいる。
この石の中には余りにも多くの要素が含まれており、語りつくせないからだ。
1,対立するものの集合体
結晶していない小さな粒の集まりであるのに、透明である。
丸いものが直線を作っている。
対立するものが矛盾なく全体を作っている。。。
これを直感した時「オパール」の面白さを感じた。
遊色オパールのような華やかさもあれば、ブルーオパールのような静かな雰囲気もある。
オパールはありとあらゆる石の姿を含むほど、幅が広い石だ。
この石はオレンジオパールである。オパールである証拠は、光に透かして見ると、ちいさな球が集合している点である。このような球の集まりなのに、透明である。夕焼けの色が美しい。 |
レイリー散乱によって青く見えるブルーオパール。これも遊色の一種であり、石そのものはわずかに黄色であるが、光を当てると青色に見える。ムーンストーンの遊色や、空が青く見えるのと同じ仕組みである。これはオパールの粒子が光の波長より小さい時、青色が散乱することで起こる現象である。このような仕組みによって現れる色を構造色と言う。カワセミやクジャク、モルフォ蝶の羽はこの構造色によって発色している。 |
紫と緑の遊色を示す石 |
2,透明と不透明