2024年10月14日月曜日

死ぬときに見る光

蛍石の蛍光を見ていると、
もうおれは死んだと小十郎は思った。そしてちらちらちらちら青い星のような光がそこらいちめんに見えた。
「これが死んだしるしだ。死ぬとき見る火だ。熊ども、ゆるせよ」
人が死ぬときには、形容しがたい、目がつぶれるような、強烈な光を見る、という。
『チベット死者の書』などにも、その光の事が書かれている。
この書では、青、黄、赤、緑、白の5色の光が、死者の前に次から次へと現れる。
それに従って行くと、もう二度とこの世に戻ってくることはない。
『今昔物語』などにも、臨終儀礼に「五色の糸」「五色の幡」の話がある。

実際「臨死体験」をして、この世に戻ってきた人の話では、このような光は実際に見えるようだ。(戻ってきた、ということは、その光についていかなかったのであろう)

特別な脳内物質が分泌されることが原因らしいが、実際に見た人の話だと「どのようにも、説明できないし、説明することに意味は無い。あなたにはわからないから」だそうだ。
生きている人間には、関係ない、という意味だと私は受け取った。

Argonne National Laboratory - originally posted to Flickr as Advanced Test Reactor core, Idaho National Laboratory Uploaded using F2ComButton

青い光で有名なのは、「チェレンコフ放射」の光である。光は真空中を進む時には、光速度(299792458m/s。秒速約30万キロメートル)で進むのであるが、水の中ではこのスピードが75%ほどの速度になってしまう。
しかし、核分裂で生じた荷重電子は、その中を真空中で光が進むのと同じスピードで進む。これによって水の電磁場が一時的に乱される。電磁場はすぐにもとに戻ろうとするが、その時に光を発するのが、「チェレンコフ放射」の原理らしい。
あたかも、蛍石が発光するときに、紫外線や熱で分子が励起されて、元に戻ろうとするときに発光するのに似ている。
平常の状態が乱されて、元の状態に戻ろうとするときに、光子を発するのだ。


これは、「アントラニル酸(麻薬原料指定されている)」という物質を持った細胞が死の瞬間に壊されて、中の物質が出てきて蛍光するらしい。チェレンコフ放射や蛍石の蛍光とは、全く原理が違うようだ。
この現象は死の瞬間が一番強く、その後すぐに消える。
(死の瞬間の苦しみを、アントラニル酸が消すのだろうか?)

しかしながら、「何かが元に戻るときに蛍光を発する」という点は、共通している、と感じる。世の中は不思議だ。
たぶん、人間も死ぬときに同じような光を発するのであろう。
「死ぬときに見る光」は、これなのかもしれない、と思った。

2024年10月12日土曜日

一番光るのはやっぱり蛍石

スタジオジブリの「天空の城ラピュタ」で、ポムじいさんが
「すまんが、その石をしまってくれ。わしには強すぎる」と言っているシーンの石が、蛍石だという説がある。
なぜなら、青い光を放っているし、暗闇で蛍光するし、最後のシーンに出てくる、ラピュタの心臓部にある「正八面体」の結晶が、そっくりだから。
ただし、作者本人が認めているわけではないので、あくまでも巷での想像である。


実際、蛍石との共通点は多い。紫外線で照らすと、美しい、青い蛍光を発する。また、個体によっては、燐光(自発的に光る)を示す。熱を加えると、光を発する。この光が、劇中の飛行石に似ている。蛍石がモデルであろう、と思われて当然であろう。
 

このカメラは写りが悪い。iPhoneのカメラはもっと良くない。本当は、「この世のものならぬ」美しい青色光を放っている。


これなどは、実際はもっと美しいのだが、写真に撮ると、どうしても色が出ない。本当はもっと透明感のある、今までに見たことのないような、美しい青色を放つ。

蛍石は紫外線で蛍光させると、どんな鉱物よりも美しい。
しかし、それを撮影する技術は、かなり高度なようだ。
やはり、紫外線という、目に見えない光によって光っているからであろう。
すばらしい輝きを、お見せできないのが残念である。

いろいろな石で蛍光を試す

 持っている石に紫外線を照射してみる。

透輝石、もしくは透閃石と思われる石。強く蛍光。

奴奈川石を含む苦土リーベック閃石曹長岩。バリウムに反応しているのか、奴奈川石が黄色味を帯びた白い蛍光を発している。

やや緑味を帯びたオパールの蛍光

透輝石を含む石。白く蛍光している。

サンダーエッグに照射してみると、今まで見えなかった層状の構造が見える。白く蛍光している?とまではいかないかもしれない

上で蛍光しているのは、タオルで拭いたときにタオルの破片がのこって、それが蛍光している。タオルには蛍光染料が使われているのである。石は緑味を帯びた弱い蛍光。

短波紫外線だと、もっと違う色になることもあるらしいし、短波でしか光らないものもあるのだが、短波紫外線は、長波よりもさらに危険。
光を見てしまったせいで、網膜にダメージを負った例があるらしい。
怖いので、短波紫外線についてはキャンセル。
短波よりももっと短い電磁波は「X線」と言われる。X線に近ければ近いほど、体への影響も大きい、ということらしい。

2024年10月11日金曜日

紫外線ライトで蛍石を光らせる とても強い蛍光

 「蛍石に紫外線を当てると、ものすごくきれいだ」と聞いたので、紫外線LEDライトを入手。紫外線ライトは、直接見ると目に激しいダメージがあるので、UVカット眼鏡と紫外線カット99.9%の雪山用ゴーグルを装着し、蛍石に照射してみる。
このライトは1灯式で、波長は375nm。青色LED開発者の中村修二博士がいた日亜化学工業のものである。発売は大阪のコンテック。物は確かだ(あやしい品物ではない)。
よく、「宝石用は365nmがきれい」と言われているが、波長が短ければ短いほど、紫外線としては強力になるらしいので、いきなり冒険はしない。

※ 警告 このページで使用している近紫外線は可視光と比較して約10倍のエネルギーを持つ光です。(短波紫外線になると、エネルギーは100倍ぐらいになります)普通のランプより10倍明るい電灯を想像してください。とても直視できるものではありません。危険なので決して紫外線ランプの光源を見ないでください。

危ないから決して光源を直視するな、と警告されている。ライターの火と同じぐらいの注意が必要である。

まずはルビーに照射。真っ赤に蛍光した。コランダムは赤く光るらしい。

オパールはうっすらと緑色

これはグラス越しでは緑色に見えたのだが、iPhoneのカメラでは、激しく青白く蛍光している。光っている鉱物はなんだろう?オパールだから、方解石ではないだろう。

これは蛍石を含んだ石

蛍石は青い蛍光を放つのが特徴

紫色も混じるとても強い蛍光だ

---------------------------- 糸魚川の海岸で拾った石

ひすいを含んでいると思っている石

紫外線照射によって、「クロム透輝石」の可能性が高いことが判明(つまり、ひすいじゃない)。クロム透輝石自体は、かなりレアな石で、北海道のものは「日高翡翠」という名で呼ばれた。これも紫外線のおかげ。


可視光では全く分からなかった、白いライン。透輝石は白く光るという。そして、下の方に赤く光る鉱物

赤く蛍光する鉱物。長波で赤く光るのは、クロムイオンを含んでいることを意味する。ただし、コランダムではなさそうだ。

透輝石とクロム分があるということは、クロム透輝石か?あるいは菫泥石か?コスモクロア?

鉄分、銅成分を含むものは、全く光らない。
ゆえに、はっきりひすいとわかるものは、光らないものが多い。
ただし、石目が白く光るものがある。

紫外線を照射してみることによって、いろいろとわかることがある。
ロディン岩は透輝石、ベスブ石などでできているので、白く光ったらロディン岩なのかもしれない。
だとすれば、ひすいを見分けるのに役に立つだろう。

2024年10月7日月曜日

銅はかなり希少な存在?

地殻中の元素の存在度 - Wikipedia


上の「地殻中の元素存在量」の記事を見ていただくとわかるように、一番多い元素は「酸素」である。これは物質が酸化されているからである。
酸化鉄、水など、酸素と結合している物質が一番おおい。
酸素を除外すれば、最も多いのは「ケイ素」と「アルミニウム」である。
酸素とケイ素だけで、「石英」が出来上がる。
それに3番目のアルミニウムと、6番目ぐらいに存在量が多い「ナトリウム」が結合すれば、「ひすい輝石」ができる。(ひすいがたいした物質ではない、と言うことは以前にこのブログで述べた
このようなありふれた元素でできているものに、命までかけてはいけない。

銅は地殻中に50ppmほどしか存在しない。
これはナトリウムの460分の一の量である。
鉛は意外にも14ppmと少なく、ヒ素に至っては1.5ppmしか存在しない。
銀はさらに少なく、0.07ppm
水銀は0.05ppm
金は0.0011ppm。
もっとも少ない元素は「オスミウム」であり、0.0001ppm(0.00000001%、1億分の1%)しか存在しない。

銅は地殻中には50ppm(0.005%、5千分の1%)存在し、年採掘量は1500万トンある。
金は2800トンしか掘り出されていない。
鉛は280万トン掘り出されているが、それでも銅よりはかなり少ない。

存在量は少ない方であるが、採掘量が多い、ということは人間の社会によく利用されている金属であることを意味する。
この銅が希少だと言えるか、どうかであるが、流通量が多いので、それほど希少だとは言えないであろう。電線や工業機械、電子部品などに非常に広く使われており、人間にとって極めて重要な、有用な金属であることに疑いはない。

しかしながら、国際市場での銅の相場は値上がりを続けており、今後、とても希少な金属になることは十分にあり得るであろう。
「10円玉を保管しておけば、そのうち額面以上の価値が出る」という噂もある。
100年やそこらで、そこまでになることは無いであろうが、長い年月のうちにとんでもなく貴重な金属になることもあるかもしれない。