正珪石(オーソコーツァイト)は日本最古級の石(宮地,2005)と考えられている。カリウムアルゴン年代測定法によれば、今から4億7000万年前から7億7000万年前に生成したと推測されている。
これはひすいとほぼ同じか、さらに古い年代である。
約五億年前を「カンブリア紀」とすれば、それ以前の「先カンブリア紀」から、この石があることになる。
下の写真の石はすべて道路の落石の中に含まれていたものだ。この地方では数が非常に多く、自宅の庭でも一個確認している。
組成は90%以上が石英である。
このようなとてつもなく古い石が、なぜ日本にあるのか。
これは日本列島が大陸から分離するはるか以前、大陸にあった大河の堆積物が固まってできたという。もともとは砂漠の砂で、長石や輝石は厳しい環境のため残らなかったらしい。
この石ができるためには、大きな砂漠や大河が必要で、そのような環境は日本のような狭い場所には存在しない。従って、日本列島分裂以前の「大陸起源である」とされている。
7億年前と言えば、地球がすべて氷に覆われた「全球凍結」の時代と重なる。
これほど昔の石が、手元にあると思うと、感慨深いものがある。
様々な色の正珪石の礫。黄緑色、赤、白、黒などがある。特に気に入っているのは「黒」 |
黒翡翠のような雰囲気が好きである。 |
ほぼ石英なのでとても透光性がある。 |
酸化鉄によって赤色になったもの |