2023年7月6日木曜日

地球が凍った時代

画像:Wikipedia commonsより

 かつて約22億2千万年前,約7億年前,約6億5千万年前の少なくとも3回、地球が全面的に凍結し、3000mもの氷河におおわれた、という仮説がある。
これが「スノーボールアース仮説」と言われるものだが、発表された当時はそんなことはありえない、とされ大論争になったという。

しかし現在では、氷河堆積物が当時の赤道付近に位置した地層にあること、縞状鉄鉱層がこの時代に形成されていること、などから、全球凍結説はおおかた支持されている。

  全球凍結時代の氷河堆積物 By Qfl247, CC BY-SA 3.0

全球凍結時代が終了すると、大気と海水が接触し、大気中の酸素と無酸素状態の海水の中の黒色の酸化第一鉄が結びついて赤い酸化第二鉄の層を形成した、という。これがこの時代に縞状鉄鉱層が形成された原因であり、「全球凍結」という出来事が実際に起こった証拠だ、と論じられる。

先日採取した黒い「正珪石」は、もしかしたら全球凍結の時代、酸素が乏しい海水に含まれていた「酸化第一鉄」の黒色なのだろうか?
約7億年前、大気と海は分厚い氷で分断されていたのだ。



6億年前の地球環境がどうなっていたか、興味の尽きないところではある。
しかし人類が初めて地球上に登場したのが500万年前に過ぎないので、その120倍も昔の話である。
たかだか2000年前に意識がはっきりした人類に、正確なことは分からないであろう。

ただ、どんな激しい気候変動が起ころうとも、生命の鎖は途切れることなく続いてきた、ということは確かだ。
なぜなら、私は今生きているからだ。
古い石を手に取り、そんな思いに駆られた。