※ 最近放射性物質を含むペグマタイトを「薬石」と言っている人があるようです。少量の放射線は健康に良い、という説に基づくようです。そのような見解を否定するわけではありませんが、放射線が細胞を傷つける事は科学的根拠があり、私は少しでも浴びないほうが良い、という立場です。手で触れるだけでも、放射性物質を体内に取り込んでしまう虞れがあると思います。
自然界には有益な物質もありますが、有害な物質も存在します。
それを知った上で、上手に自然と付き合いたいと思っています。
すこし気晴らしに、距離はあるがドライブに五箇山まで行ってきた。
ここには珍しい石を産出する場所がある、というので探してみた。
それは巨晶花崗岩(ペグマタイト)に含まれる「ユークセン石」という強力な放射線を発生する石だ。
花崗岩は微量のウランやトリウムを含み、放射線を発することはよく知られているが、これがさらに濃縮された石だと思う。
京大の田久保実太郎先生が1954年に調査された論文を読むと、酸化ウランを13から14%、イットリウムを18%、その他にもニオブ、タンタルなどのレアアースを含んでいるらしい。
もちろん観察するだけである。こんなものを拾うと下手をすれば放射線被曝してしまうだろう。強いものになると3μSv/hの放射線を発するものもあるらしい。(そのような物質を身に着けると年間約26mSvもの放射線を浴びる事になり、一般的な年間被曝量の26倍にもなる)
まずは久しぶりの湯谷温泉。ここは2年ぶりで入湯。知る人ぞ知る秘湯である。 以前行った時のリポートはこちら。 |
温泉から上がって、五箇山方面へ30分ほど走ると、目的の「祖山」に到着した |
橋の上から。下の庄川までかなりの高さがあり、足がすくむ |
さらに進むと、ペグマタイトの転石を発見した。黒雲母、白雲母、ピンク色のカリ長石、石英からなっているようだ。そのカリ長石の中に一部色の違っている部分がある。これが「ユークセン石」なのだろうか? |
褐れん石とかも含んでいそうだな |
後から調べたのだが、これはユークセン石を含む石とは別の系統の石らしい。本物はもっと険しい山の中の露頭にあるという。しかし近くにあるのだから、少しは含んでいるのだろう。いずれにせよこれは放射線を出す石だから、よく観察するにとどめた。 |
祖山発電所の施設。べつに原子炉があるわけではない(笑)が立ち入り禁止となっていた。 |
帰りに最近できた「利賀大橋」に寄ってみた。 |
だんだん秋らしくなってはきているのだが、ひどい暑さでまだ夏。空の色も夏だね。多量のアブが寄ってくる。まだ山には入れないね。写真は高清水山(1145m)だと思う。 |
利賀大橋と高清水山。この下を観光船が通っている。船でしか行けない「大牧温泉」はこの上流にある。まあ、とにかく秘境である。 |