ひすいの生成する所には「蛇紋岩メランジュ」がある。
「メランジュ」は「整然と堆積した地層が、変形により混沌とした状態になってしまったもの」の事だ。
朝目を覚ますと、布団がぐしゃぐしゃになっていたり、卵を混ぜ合わせると、卵白の層と卵黄の層が混じるようなものだ。
ひすいは蛇紋岩の層の中にいろいろな鉱物と共に取り込まれ、ぐしゃぐしゃになった場所から出るのである。
当然、純粋な鉱物としては存在しにくい。ただ、ひすいは硬いために、純粋な鉱物として出る場合もある。
プレートの深い所で生成されたヒスイが、比重の軽い(2.5程度)蛇紋岩に取り込まれ、地上に湧き上がってくる、というのが一般的な説である。(蛇紋岩とくっついた形のひすいは以前採取したことがある)
糸魚川のひすいの特徴に「細かいクラック」があるが、この時に高い圧力によってひび割れて出来たのであろう。
以下のひすいは、灰色の部分がひすいで、間にあるのが角閃石のような他の鉱物であろうと思われる。
高い圧力によって、捻じ曲げられた様子が分かる。
ただ疑問なのは、もともとの姿が「層状」だったのではないだろうか?という事である。
層状だとすれば、ひすいの層とほかの鉱物の層が、もともとは整然としていたのではないだろうか?
ひすいは「熱水起源」で、地下から熱水と共に沸き上がったものが堆積したという説もある。
いずれにせよ、プレートの押し合う力で、岩がねじ曲がってしまうほどの外圧がかかっていたことがよくわかる。
メランジュの定義(産業技術総研のサイト)
灰色の部分はひすい輝石岩だが、その中に角閃石のようなものが曲がった脈状で入っているもの |