「糸魚川の海岸に落ちているひすいには金銭的価値はない」と書いたけど、人によってはこれに非常な価値を見出す人も多い。
品質的にはミャンマー産ひすいのほうがけた外れにいいはずなのに。
これは海岸に転がる石に、お金とは違う別の価値を見出しているからである。
糸魚川の海岸に転がっている石は、品質が悪かろうが、混じり物が多かろうが、日本産の、しかも5億年前に生成されたヒスイに間違いない。
ミャンマー産のヒスイがこの世に現れたのは1億年前。その5倍も古い時代のヒスイが、糸魚川にはあるのだ。
また、世界で一番古いヒスイ文化を生んだ石でもある。
これだけで、たといそれがどんな汚い石ころであろうと、十分な価値があるのではないだろうか?
確かに「宝石」としては、世界で評価させるような要素は何もないだろう。
しかしそこには「お金に換えられない」価値が確かにあるのだ。