2021年7月22日木曜日

石灰岩とひすい

 

イタリアのスサ地区の鉱物分布

石灰岩とひすいには関係がありそうだ。
ひすいの産地の周辺には必ず石灰岩でできた土地がある。
糸魚川では、明星山と青海黒姫山が石灰岩、ヨーロッパアルプスにもジュリアンアルプスという、やはり石灰岩でできた山が存在する。
ジュリアンアルプス(スロベニア)から地図上では離れているが、上記地図のイタリア、スサは周辺と言っても良いであろう。ここもヒスイ産地のひとつである。
他にも良質なひすいの産地であるグアテマラは石灰岩が豊富な土地を持つ。
石灰岩(炭酸カルシウム)がなぜヒスイと近い場所に存在するのか、詳細は不明であるが、石灰岩は生物由来の岩石(貝やサンゴ)である。これらの生物は熱水の湧き出す所に、大群落を作っていたと考えられる。
そのため、ヒスイは熱水起源(スカルン鉱床)由来ではないか、という説が有力である。
地下深くで出来たヒスイが、熱水によって地上近くまで押し上げられたのではないか、というのだ。
その証拠に、ヒスイの中には脈状に岩に嵌入したような形状のものがある。
あと、ヒスイのある条件として「超苦鉄質岩」(蛇紋岩)の存在がある。
これらの岩が高圧・低温で変性することで、ひすいは出来ている。