2019年12月11日水曜日
雪山の楽しみ
今年も雪山の季節がやってきた。
雪山には夏山とは全く違った楽しみがある。
まず、夏と違うのは「暑くない」こと。気温が低いため、汗だくになりながら登山することがない。
つぎに、雪の上を歩くため、膝や足への負担が比較的少ないこと。雪のない岩の登山道の下山は膝に大きな負担がかかる。雪の上だと、雪がクッションの役割をするので、歩きやすい。
また、雪の積もった山には虫がいない。夏の登山だと、吸血昆虫にたかられたり、スズメバチの威嚇を受けたり、マダニに食らい付かれたりと、虫に対する防御策が必要になるものだが、雪山にはこの厄介な相手が存在しない。
目の前には純白の山々が聳え、空は抜けるように青い。全く「青と白」の世界だ。
まるで「別世界」を歩いているような、不思議な感覚である。
山頂に至って、夏場は面倒くさくて持ってきていないコンロを取り出し、そこらにある雪を溶かして湯を沸かす。それで飲むコーヒーのうまさは、他に例えようもない。
ただし、このようなすばらしい雪山登山を楽しむためには、条件が必要となる。
まず「絶対に晴れていなければならない」こと。
冬場は天気が荒れやすく、雪も降りやすい。山はいったん雪が降ると、前が全く見えなくなる。いわゆる「ホワイトアウト」になってしまう事が多い。
このような時に、山に入る事はオススメしない。非常に寒く、降雪が激しくなれば雪崩の危険が大きい。
大雪の降った後の晴れ間は、もちろん雪崩の危険があるが、降雪中よりはずっとましだ。
悪天候の中の登山は、最も雪崩が発生しやすい。
また、雪山で一番危険なのはやはり「雪崩」である。
標高が高く、樹木のない斜面はとても危険である。簡単な刺激で、雪崩が発生する可能性がある。
山を遠くから見て、真っ白になっている山は、樹木以上に雪があるか、岩山であるかであるが、私はこのような山には行かない。
雪山登山はとても楽しいものであるが、それに比例して危険も高くなるのは事実である。
人間は低温にはとても弱い生き物である。
山の寒さは、下界でずっと暮らしていると、想像もできないほどである。
簡単に命を失ってしまう可能性がある。
十分注意して、登山したいものだ。