「動画を作成するだけで、月ウン十万が稼げる」とかいうビジネスが流行っているらしい。
たしかに最近、動画作成の需要は高まっていると思う。
しかしながら、動画製品として一定の品質を満たし、広告用途の需要に応えるほどのクオリティーの高い動画を制作するためには、特別な教育、長い経験、高価な機材、高価なソフトウエア、特別な感性等が必要であり、経験の浅い普通の人間にそれができるとは思えない。
長年コンピューターに関わってきた身として言えることは、コンピューターを使ったクリエイティブな仕事で収入を得ることは、極めて困難だ、ということである。
私は今までいろいろな分野を学んできたが、動画作成はやっていない。
これは一種の「芸術」だと思うからである。少なくとも私にはその感性は無い。
そもそも、誰もが芸術家になれるわけではないし、一定のレベルを超えた作品を作れるのは、ほんの僅かのうちの、さらにわずかな人間だけである。
特に最近は生成AIによって、かなり高度な動画を作成することができる。
わざわざ、高いお金を支払って、人間にお願いするような仕事は、確実に減っている。
このような厳しい環境の中で、本当に「月ウン十万」の収入を得ることができるのだろうか?
今の若い人たちは、こういう「詐欺」文句に騙されやすいようだ。
闇バイトの問題についてもそうだ。
苦労せずに、山には登れない。それと同様、苦労せずに収入を得ることは不可能だ、とはっきり認識しなければならない。
山の頂点に立つものが、どれだけの努力をしてそこにいるのか、を十分に考えるべきである。