2019年4月29日月曜日

5月1日は荒れるな

天気図を見て、「これは危ないぞ」と思ったので、つぶやいてみる。
まさかこんな天気で、登山しようなんて人は居ないでしょうね?


2019年4月28日日曜日

初日から遭難か

2015/05/27 @寺地山から北ノ俣岳を望む

全員が亡くなられた。悔やんでも悔やみきれない。

昨日は日本上空に寒気が入り込み、山は吹雪だったそうだ。
これらはすべて気象遭難ということになるだろう。
雪の中、登山を強行されたのだと思う。せっかくの休みに、どうしても登られたかったのだろう。
その気持ちは、同じ登山をするものとして理解できないことはない。

しかしながら、もっと思慮深く行動されていたら、と思うのも事実だ。

遭難現場の一つである北ノ俣岳には過去3回登山をしている。1回目は途中で引き返そうとしたが、道迷いをしてしまい、命からがら逃げ帰ってきた。
2回目、3回目は登頂したが、往復20kmという長丁場のため、登山口に降りてきたときはふらふらだった。

遭難された方は、北ノ俣岳を越えた先にある太郎平小屋を目指されていたそうだ。翌日は薬師岳を目指される予定だったのであろうか。本日は天気が良かったので、おそらくとても良い条件で登頂出来られた事と思う。

しかしここしばらくはこの季節にしては異常に気温が低かった。霜注意報も発令されるほどであり、しかも天気が悪かった。山は当然降雪していたであろう。

あの山域は非常な僻地であり、人が少ないのはもちろん、携帯電話の電波すら届きにくい。
日本有数の秘境である。槍や穂高のような賑やかな感じは全く無い。
もしもなにかトラブルがあった場合は、救助されるのが遅くなるだろう、と思われる場所だ。

だからこそ、魅力があり、非常に深い登山をする事ができる。

今の時期、黒部川源流域に入るのは、雪があるのはもちろんであるが、気象の激しい変化があった場合、すぐに冬山になってしまうので、非常に危険だ。
他の北アルプスでも同じである。一瞬でマイナス10度以下の暴風雪が襲ってくるかもしれない。
登る場合は、真冬の装備が必要だ。
春山だと言っているが、気温が低いときは決して春山などではない。

2019年4月27日土曜日

10連休は山岳遭難に注意

2017/04/19 @西穂山荘前のテント場

毎年連休になると、山岳遭難のニュースが必ずある。

今年は特に、暖かくなるのが遅く、山に雪があり、しかも標高の高いところでは「氷層」があるらしい。
GWごろになると、寒暖の差のために、雪が溶けて氷を作る。

氷は石のように硬く、アイゼンが刺さらないことすらある。そういう状況では滑落しやすい。

情報によれば、唐松岳などでも、このような状況らしい。

昨日のように、東北や北海道で降雪があった場合など、溶けた氷の上にさらに新雪が積もる状況となり、大変危険だ。

慣れているひとなら大丈夫だと思うが、特に初心者、高齢者の人は入山を控えた方が良いかもしれない。

「休みじゃないと、山に行けない」という人でも、今の時期の山は完全に冬山で、それなりの装備が無いと難しいということは、意識した方が良い。

北アルプスは私のような初心者が行くには、7月以降が最適だ。
今は春山シーズンだが、標高の低いところなら、少しづつ雪は無くなっているから、踏み抜きなどに注意すれば、それほど難しく無いだろう。しかしながら、軽アイゼン程度は持っていくべきだ。




2019年4月25日木曜日

死者からの伝言

「地上で乱舞する蝶も精霊が姿を変えて地上に降りて来たものだという。蝶に姿を変えた精霊は死者からの伝言を運ぶためにやって来る。」(国分拓『ヤノマミ』より引用)

山に登っていると、平地では見たことも無い蝶が舞っていることがある。
大日平では黒い蝶の大群に出会ったりした。
立山の弥陀ヶ原追分地蔵堂では旧暦7月15日ごろ、多数の蝶が群れ飛ぶという。これを昔の人は死者の魂だと考え、高塔婆を立てて供養したという(『和漢三才図会』)。

昔から蝶は死のイメージを持たれている。動物の死骸に集まる性質が、そのようなイメージを持たれるきっかけとなったにちがいない。冒頭に引用したのはアマゾンの先住民のシャーマンの言葉であるが、ストレートにこのイメージを説明している。

また、蝶は空をふわふわと飛ぶので、死者の魂がこのようなものだと思われたのかもしれない。
先住民の世界観によれば、死者は天にある「ホトカラ」という場所に行く。

「地上の死は死ではない。私たちも死ねば精霊となり、天で生きる。だが精霊にも寿命がある。男は最後に蟻や蠅となって地上に戻る。女は最後にノミやダニになり地上に戻る。地上で生き、天で精霊として生き、最後に虫となって消える。それが、定めなのだ。」

「ホトカラ」にいるのは、人間ばかりではない。動物が死ねば、そこに行く。
そこは何層にも積み上がった世界で、インド人の須弥山を中心とした世界観によく似ている。
インド人はその世界を「輪廻」するのだと考えたが、ヤノマミ先住民たちは「最後には虫となって消える」と言った。私には、その方がしっくりくるように思える。

山中をたった一人で歩いていると、確かに死者からの言葉が聞こえてくるような気がする。
なんとなく、懐かしい気持ちになる。
実際に標高が高く、これほど天に近い場所もないのかもしれない。
しかしそこは同時に「死」にも最も近い場所だ。

登山者は生きて無事に帰らなければならない。生きている限りは、下の世界に帰らなければならないのだ。
山は死者の世界なのだから。

ハイキング気分や登頂ゲーム気分で山に来ている人たちには、この感覚はわかりにくいかもしれない。

だから平気でゴミを捨てたりするのだろう。こんな綺麗な場所を汚してはいけない。
それは自分の心の奥底を、汚染するのと同じだと思うから。











2019年4月20日土曜日

平成最後の山行だったな

小荒島を後にし、しゃくなげ平直前から @2019/04/18
おとといの荒島岳は、平成最後の山行になりそうだ。
私は1ヶ月に1回だけのペースで、ずっと登山をしてきた。
欠けた月は、夏冬合わせて、4回ぐらいかな。

仕事の都合上、山で泊まることはめったに出来ず、山小屋に泊まったことがほとんど無い。
したがって、登ることのできる山は、北アルプスでも日帰りできる山になる。
それでも、ほとんどの山は日帰りできる。富山はそのあたり、とても恵まれているんだよね。
ただ、黒部源流域は、日帰りが無理だ。薬師岳、槍ヶ岳、奥穂高岳あたりも、日帰りでは厳しい。日帰りするとなると、相当無理をすることになる(結局、西穂か焼岳になってしまうことが多い。上高地には一度も入ったことは無い)。

アルプスに行けないとなると、どうしても近くの山を何回も登る、ということになってしまう。西穂はロープウエイがあってアクセスが良いので、何回登ったことやら。
山に泊まれる人が羨ましいけど、どうしようも無い。

近くのマイナーな山は、登山道の整備が今ひとつなので、新しい山に登るときはそれなりに緊張する。アルプスに行く時よりも、むしろ怖かったりする。
道が明瞭でなかったり、急登に付いているロープなどが危なっかしかったり。

とにかく、遠出することは滅多にできない。ましてや福井などには行ける機会が限られてしまう。福井ではあと、「能郷白山」にも行ってみたいが、いつになることやら。

私のモットーは、「無理をしない」ことだ。
これからは少し忙しくなるので、おとといの山行は平成時代最後になるだろう。
新しい年号に変わったら、最初にどこに行こうか。

次に行く山を考えている時間も、けっこう楽しいんだよね。

2019年4月18日木曜日

荒島岳 小荒島 残雪 朝凍結 昼踏み抜き たくさんの人と出会い 

今日はやっと山に行ける時間ができたので、夏冬通して初めて登る福井県の荒島岳に登ってきた。
この山は福井県随一の「日本百名山」で、深田久弥は学生の頃その姿を見て感動し、のちに福井を訪れた時、登ったそうだ。
なかなか凛々しい姿をした、険しい山で「五竜岳」とか「カイラス山」を連想してしまうような、立派な独立峰だ。大野盆地からはっきり雪を戴いた姿が拝め、来てよかったと思えた。

本日はお天気が良いせいか、たくさんの登山者が登って来られた。ただ、アイゼンを持って来なかった方は、しゃくなげ平で引き返されていた。
険しい雪付きの尾根なので、アイゼン、ピッケルはしばらく必要になるだろう。


5時45分ごろ出発して、山頂は9時45分ごろ。雪は締まっており、アイゼンが効いた。白山がとても美しい。

日本百名山にふさわしい、いい山だね

山頂より、大野盆地。箱庭のように見える

西側を撮影。私の知らない山々

昼食を摂って、下山開始。

山頂に至る尾根

雪庇の崩壊がひどい。もうすぐ落ちると思われる。

中荒島岳より、登って来た壁を見下ろす。ここはピッケルを刺しながら、慎重に下りた。

中荒島岳から山頂は412m。でも、とても長く感じます。

私が一番乗りだった。下から賑やかな鈴の音。

中荒島岳へ登る壁を下から。道を間違えると、横の絶壁に落ちます。

この辺りで、下から上がって来られた4人組としばし談笑。なんと中出コースを歩いて来られたそうだ。しかも「もちがかべ」直登コースにもトライされたそうで。

かなり痩せた尾根なので、気を抜けない。

横には美しい白山が常に見えていた。危険だけど、すばらしい尾根。

さあ、核心部のもちがかべ上部に到着しましたよ。

雪が緩んできて、踏み抜きが激しくなってきた。まだ11時にもなっていないのに。

雪の無いところは、階段が崩壊。アイゼンを付けながら岩を下る。
もちがかべ迂回路で一番きついところ。この踏み抜きがなかなか難しい。

ここでアクシデント。真ん中の木道に大きな釘が出ており、それにシャツを引っ掛けて破いてしまう。ザックでなくてよかった。まだ登山道整備前なので、何が出ているかわからない。

もちがかべ直登コースに少し寄ってみたが、ここはちょっと無理だね。

もちがかべを下から見上げる。上部はほぼ垂直の壁になっている。それでもトレースが残っていた。チャレンジャーだなあ。私は夏道を利用した。

時間がかなり余ったので、帰り道しゃくなげ平から、小荒島岳へ寄ってみることにした。ここから見る荒島岳の姿は実にいいね!素晴らしかった。

再びしゃくなげ平に戻って、ここから元来た勝原コースを下りる。

しゃくなげ平への登りが結構急だったことがわかった。

ネットに載っていた通り、トトロの木は倒れていた。

登山口に無事帰還。しかし、このコースは、ここからが危ない。ほぼガレ場の道を下らなければならないからだ。浮石で何度も足を滑らす。もちがかべの急登よりも、実はこちらの方が危なかった。

旧勝原スキー場のゲレンデトップのリフトの残骸。

「カドハラ桜坂」と名付けられていたんだね。下の方はコンクリートになっており、歩きやすかった。横に桜が植えられており、満開だった。もっと木が大きくなれば、桜の名所になるかもね。

駐車場到着。勝原コースの案内板。トイレはまだ使えないので、注意。