2023年9月18日月曜日

VIVANTとフローライト

 


日曜日にやっていたドラマ。私は見ていなくて、よく知らないのだが、作中にモンゴルの「フローライト鉱床」のことが出てくる、と聞き、すこし調べてみた。

なんだか複雑な話だ。〇菱商事が太陽光発電を建設するとき、現地のインフラ会社に誤送金する。
要するに中に現地のインフラ会社の密偵がいて、送金したということだ。
送金された金はイスラム原理主義のテロ活動の資金になる。
それを調査していた乃木憂助(堺雅人)は日本の陸上自衛隊諜報部員(VIVANT)だと見破られて、テロ組織に捕まりひどいめにあう(実際にVIVANTのような組織が存在するか、については政府は否定している。多分、本当に存在しないのだと思う)。
そのなかで、テロ組織が「フローライト」の鉱脈を発見していることを知る。

この「フローライト」は別名「蛍石」という鉱物だ。
化学式はCaF2。フッ化カルシウムという物質。
見た目は石英のように見える。ぼんやりしたすりガラスのような雰囲気を持っている。
これは殆どが中国で産出される。
この物質は、分解すればフッ素を多量に発生させる。フッ素は非常に反応性の高い物質で、半導体を作る時にも必須の物質。
フッ素と化合した物質を「ハロゲン化合物」という。
中国では多量に採れるので、最近までは蛍石の原石は安かった。
しかし、中国との関係悪化で、最近は値段が上がっている。

日本でもかつては採れたが、今では掘りつくされている。
第二次世界大戦の頃は、国内でも盛んに採掘されていた。
モース硬度4と、やや柔らかい物質である。
火で熱すると蛍光を発して砕け散る。その様子が「蛍」に似ているので、蛍石と言われる。
色はさまざまだが、多くは薄いグリーンで、透明、紫、黄、青などさまざまなものがある。
工業的には重要な物質であるが、原油ほどのものではない、と思う。

そういえば最近、アメリカで世界最大級のリチウム鉱床が発見されたらしい。
資源的には、レアアースであり、電池の原料であるリチウムのほうがよほど重要な物質ではある。