2025年7月18日金曜日

登山はしばらく休もう

 


先月中旬の奥大日岳以降、山に入っていない。
去年も相当暑かったが、今年はさらに暑い。奥大日岳は2500m以上の山であるにもかかわらず、数年前の1500m級の登山並みの気温だったと思う。
このような状況では、体力の消耗が激しく、それに伴って脱水、熱中症の危険が高くなるのを実感している。

毎年、世界の平均気温が上がっているのは間違いない。このような気温上昇は、われわれ人類が、産業革命以降、多量の温室効果ガスを排出してきたことが原因で起こった、ということが科学的に証明されている。
一部で「そんなことは無い、たまたま太陽活動や周期の関係で気温が上がっているだけだ」という主張をする人もあるようだが、それらの周期を勘案しても、人間活動の影響は間違いなく存在すると結論されている。

しかし、温室効果ガスを排出しないようにすれば良いとは言ったものの、それでは人間の経済活動に支障が出るのは間違いない。経済を停滞させるわけに行かないとすれば、この気温上昇を受け入れ、それに適応していくしかない、ということになるだろう。

気温の上昇によって、山の環境も著しく変化している。
今まであった植物がなくなったりしている。
おそらく、これに伴って、今までそれらを食料にしてきた動物たちも、住処を追われたりしているのであろう。また、いままでいなかったシカ、イノシシの増加によって、食い荒らされる被害も多い。

これに関して、最近一番話題になっているのが「ツキノワグマ」と「ヒグマ」であろう。
山の食料が不足しているので、里に下りてきて、人間の食料を狙うようになった。
そして突然人に出会って、人間を襲う。
また、山に居るクマも、えさ不足によって凶暴になっているらしい。登山道でも人が襲われている。

山に人が多く入るので、クマは人間に慣れている。おろかなことに、野生のクマに餌を与える人間もいるらしい。人間の食べ物は自然界の餌とは比較にならないくらい高栄養なので、クマにとっては非常に魅力的な食物である。けっして与えてはいけない。

人間は自然にとって、とても悪い生き物だと思う。
自然がバランスを崩すほどになっているのに、まだそれを止めようとしないのだから。
怒った自然が、私のような人間の仲間である登山者を、快く受け入れてくれるだろうか?

以上のような理由で、この夏は登山を中止しようと思う。

2025年6月20日金曜日

気温が高く、雪の状態が悪い 気を付けて

 

今年は、冬に積雪がおおかった影響で、6月中旬になってもしっかり多量の雪が残っている。
そのせいだろうか、GWごろから今に至るまで、山岳事故が多発している。

私も十分に意識していたはずであるが、やはり滑ってしまう、という失態をやらかした。
今年の雪は「ザラメ」の部分がやたら多いのだ。
この雪は、アイゼンが利かない。しかも、下の方は氷のように固い。
氷の上に、かき氷みたいなものが乗っているのだ。
これが、気温上昇によって、さらに安定感を失う。
春先に牛岳で経験した状況だ。これは非常に厳しい状況を生み出す。
今日も白馬岳で滑落、行動不能のニュースが続いている。
雪の状態だけでなく、異常な気温の高さによって、疲労も増えている。

やはり去年とは違って、かなり山の状況が厳しいようだ。
山行を考えられている方は、十分注意されんことを。

2025年6月19日木曜日

奥大日岳 大失態の山行

 昨日、奥大日岳に登って来た。
しかし、この山行はあらゆる点でお粗末で、山頂まで無理に行った、というだけの山行だった。
途中のスリリングな雪渓でスリップ。
危うく滑落しかけた。
絶対にあってはならないミスだ。
計画自体がお粗末で、現地の現状すら把握していなかった。
また、室堂ターミナルで、この現状を指導員の人に伺っていたにもかかわらず、強行してしまったことも、反省点だ。なぜ途中で引き返さなかった?

気温は高く、十分に暑熱順化していなかったので、非常に疲労し、判断ミスを連続。
こんな山行はもう二度と繰り返さないようにしなければならない、と深く心に刻むことになった。

奥大日岳は雪のない時期は初心者でも上ることができる。しかし、雪が少しでもあると、その険しい地形から、一気に難易度を増すのだ。
それを十分に認識していなかった自分が恨めしい。

このような判断が出来なくなってきた、という事である。今後、登山を続けるかどうか、わからない。
それほど、重要な分岐点となる山行であった。

稜線の雪庇はこのように危険な状態だった

奥大日岳 この状態を見て、どうして引き返さなかったのだろうか?
左側の雪渓をトラバースするか、右側の稜線沿いに行くか、だが、どちらも駄目である

この雪渓をトラバースするときに3mほど滑り落ちる。絶対にあってはならないミスだ。
これを判断できないほど、判断力が落ちたということだ。
加齢だろう。

雄山は雪が無い。予定変更して、大汝山ピストンぐらいにしておけばよかったのだ

左奥が、中大日岳、大日岳

剱岳

大日岳方面は、まだこんなに雪がある。

弥陀ヶ原と稜線上に残る雪庇



雷鳥沢付近も、クラックだらけで怖い場所だった



地獄谷の噴煙が印象的だった

2025年5月23日金曜日

金剛堂山 このブログでは10回目 東俣登山口経由20kmトレイル

 このブログを始めてから、今までに9回この「金剛堂山」に登ってきた。以前のブログでも6回ぐらい記録があるから、おそらく10回ぐらいは登っているだろう。
何度も登るのはこの山が好きだから。
標高差約1000mで歩行距離12km(奥金剛往復時)ぐらいで、とても歩きやすい。
一年を通して愛してきた山である。
この山の魅力は何回語っても尽きることは無い。何回登っても飽きないのだから。
今回は東俣登山口から下山する20kmのコースを歩くことにした。
気温が高かったが、雪渓が多く、意外と涼しく歩けた。奥金剛より奥は、登山道が明瞭でない箇所もあり、道迷い注意。

片折峠から。タムシバの花が咲く。しかし例年と違うのは、冬季の大雪によって、登山道が壊れている場所がかなりあること。完全に落ちていた場所もあったので、注意してください。

下界の気温は30度を超えていたが、残雪のおかげで少し涼しかった。この時点で9時ちょっと過ぎ。周回コースならベストなコースタイムだ

毎回この風衝平原には癒されてきた。前金剛を望む

東俣峠に下りる登山道から、奥金剛を望む。ここまで、登山道が明瞭でないこともしばしば。GPSを頼りに、残雪の上を歩いたり、藪漕ぎをしたりしながら、歩みを進めた

初夏のさわやかな風

東俣林道には大量の残雪があり、除雪作業が行われている途中。まだおそらく2mぐらいの残雪があり、固いのでショベルカーによって除雪されていた

すさまじい雪崩で道がふさがっていたのだろう。開通したばかりの雰囲気のある切通

雪解け水で川の流れが速く、涼しかった

今の時期から以降は、クマスプレーが必携。


2025年4月25日金曜日

2025年7月5日に地震は起こらないだろう


 巷で話題になっている漫画家さんの予言では、2025年7月5日に地震が起こる、という。
わたしは、この予言に対して、以下の反論をしておく。


1,未来をあらかじめ知ることはできない

まず、未来を知るためには、複雑系であるこの「宇宙」の現象をすべて正確に把握していなければならない。これはどのようなコンピュータを使っても、情報量が膨大になるため、不可能である。しかもそれらの相互関係を精確に計算できなければ、おおざっぱにも予測することはできない。人間の限られた脳が、これらの計算を行うことは出来ない。
したがって、人間は未来を知ることはできない。


2,仮に予想できたとしても、矛盾が生じる

2011年3月に起こった地震を予測できたのであれば、2024年1月1日に起こった能登半島地震も予想できているはずである。しかし、実際には予測されていないようだ。
したがって、2011年の地震予測は偶然に一致したのである。
偶然の一致はほぼランダムに起こるので、これが特殊な能力によって起こったとは言えない。


3,科学的観点

地震の予測は、スロースリップや発生間隔などの研究によって、発生確率に関しては、確かに計算されている。しかし、これはあくまでも確率であって、必ず発生することを意味するわけではない。
発生する恐れのある期間も数十年の間、という漠然としたものでしかない。
一方の漫画の予言では、日時をかなり限定して予測している。
その根拠も「夢で見た」という、オカルト的な概念に基づく。

以上のような理由から、この予言は全く信用するに値しない、と判断している。
仮に本当に起こったとしたら、それはほとんど起こりえないような偶然の一致である。
その確率は、仮に30年間に80%の確率で、30年間の日数=10,950の内の特定の1日に地震が起こるとして考えてみる(実際には計測の誤差なども含み、80%という確率がどの程度確実なのかもわかっていないので、もっと低くなる可能性もある)と、

  1. 30年間で起こらない確率を求める: 30年間で80%の確率で起こるということは、30年間で起こらない確率は 1 - 0.8 = 0.2 (20%) です。

  2. 1年間に起こらない確率を求める: 毎年同じ確率で起こる場合、30年間起こらない確率は、1年間に起こらない確率を30回掛け合わせたものになります。つまり、1年間に起こらない確率を x とすると、x^30 = 0.2 となります。

  3. 1年間に起こらない確率から、1年間に起こる確率を求める: 上記の式から x を求め、1 - x で1年間に起こる確率を求めます。

  4. 1年間に起こる確率を、1日の確率に換算する: 1年間に起こる確率を365で割ることで、1日に起こる確率を求めます。

つまり、

30年間に80%の確率で起こる事象が、特定の日に起こる確率は、約 0.0146% となります。


私は0.01%ぐらいの確率で起こる事象を、心配する必要はない、と思う。
隕石が自宅に落下する確率、飛行機事故で死ぬ確率、宝くじに高額当選する確率に似た確率だ。
そんなものを心配して生きていたら、道も歩けないではないか?

2025年3月14日金曜日

久しぶりに牛岳登山 クレバスに落下

 久しぶり、10月以来の登山になるだろうか。
ようやく、山に行くことができた。
しかし5か月ほどのブランクは大きく、足の筋肉の衰えを感じた。
その所為だろうか、転んだりバランスを崩したり。
しかも今日は大雪の名残の雪がざらめ状態で1m以上残っている状況。
スノーシューを持って行かなかった。3月にスノーシューなど不要だと思っていた。
実際に歩みを進めると、ほぼ確実に深く踏み抜き、まるで新雪の後のような感じがした。
このため、頂上に着いた時には、へとへとになってしまった。ほかの方々は皆、スノーシューを装着されていたのに。

帰り道、クレバスに落ちてしまった。まともに落ちていたら、たぶん上がれなかった。
運よく、ザックに引っ掛かったので、なんとか上がることができた。
とにかく、雪の状態は最悪だった。3月でスノーシューが必須だという状況は、想像すらしていなかった。

帰り道、転落したクレバス。危なかった。




最高の快晴だったな





山頂