2024年11月6日水曜日

暗所で蛍石を撮影

暗所で別のカメラを使って、蛍石の蛍光を撮影。
すると、内部の筋が浮かび上がってきた。
たぶん割ると正八面体の結晶が出てくるのだろう。

右寄りに「×」の形が現れてきた。これはiPhoneのカメラでは色が潰れてしまって、見えなかった。

直接紫外線を当てなくても、漏れてきた紫外線だけでも十分蛍光するようだ。

 サンプルは宝達山の蛍石であるが、太陽光で見ても、美しいグリーンである。
昔は自形結晶のものが採掘されていたらしい。金沢大学に見事な結晶クラスターが展示されているという。
戦時中、鉄の精錬に使ったのであろうか、盛んに採掘されていたらしいが、今では採掘され尽くして閉山している。
また、この山では江戸時代、金鉱石を採掘していた。その跡が残っている。
花崗岩の山であり、石灰岩もあることから、花崗岩と石灰岩の接触部に鉱脈が発達したと思われる。しかし、金鉱石は泥岩の中にも産するらしいので、相当複雑な地質構造をしている、と思われる。
蛍石のある所には、たいてい金属鉱脈が存在する。
蛍石はたいていは脈状で見いだされるので、フッ化水素を含んだ恐ろしく反応性の高い熱水に金属元素が濃縮されて、それが塩基性の岩に触れて、金属元素が析出するのであろう。
そのメカニズムは科学の専門家でないからわからないが、大地の下で起こっている激しい反応を想像するにつけ、感嘆を禁じ得ないのである。