2024年6月23日日曜日

夏山への登山計画

 

標高3000m級の山は、一般登山者である私にとっては、夏に行く場所。
やはり行くのは北アルプス1択だ。

まだ登っていない山はたくさんある。時間が取れないので、1泊が限界。
1泊以内に帰ってこられる山をチョイスする必要がある。

今のところ、考えているのは、鹿島槍ヶ岳、槍ヶ岳、奥穂のうちいずれか1座。
一番アプローチが良さそうなのが奥穂だけど、テント泊にするか、それとも、小屋泊にするか迷う。
登山を始めて10年以上になるが、まだ、上高地には観光ですら入ったことが無い。
いつも西穂や焼岳の山頂から眺めているだけの場所である。
私はバスが嫌いなので、バスでないと入りにくい上高地には未だに入ったことがないのだ。
(歩いていくと、プラス1泊ぐらいになるだろうな)

その焼岳は、火山活動の活発化によって、入山を控えるように勧告が出ている。
うーん。焼岳がもし噴火したら、上高地はもろに影響を受けるなあ。

ということは、あまり影響を受けない槍ヶ岳や鹿島槍ヶ岳だろうか?
今年の夏山は行きたいところを選ぶのが難しい。

黒部五郎岳も行きたいところだが、結構距離がある。

2024年6月18日火曜日

やっぱり立山はイイのだ


 富山県民にとって、立山は身近な山だ。
小学校の時、たいてい立山登山(雄山までだが)の課外実習があるところが多く(実施していない学校もあった)、だれでも一度は登っているからだ。
昔は立山に登山することが一種の通過儀礼であり、大人になった証であった。
その当時は、称名滝の横の「八郎坂」からアプローチした。
途中2泊も3泊もして、登ったらしい。
以前、八郎坂から追分まで登ったことがあるが、かなり大変だった。
ともあれ、県民にとって、立山は特別な思い入れのある、大切な山である。
何度この山に登っても、毎回「良かった」と思えるのは、おそらくそのためであろう。

立山は弥陀ヶ原の最上部にあたる室堂平を取り囲むように、大日連山、剱岳、別山、立山、浄土山がある。
このような地形になっているところは、ここの他には木曾駒ヶ岳の千畳敷カールもそうだろう。
太古の昔、氷河によって削られたり、火山の噴火の火砕流が流れたりして、このような地形になったと考えられる。
まるでお椀の底から、周りを眺めるような感じだ。
山の上から見ると、まるで箱庭のように見える。

立山のもう一つの見どころは、そのお椀の底に活動中の噴気孔があること。
平安時代の『今昔物語集』に以下のような記述があるのは、広く知られている。

今昔、越中の国□□(新川?)の郡に、立山と云ふ所有り。昔より「彼の山に地獄有り」と云ひ伝へたり。
其の所の様は、原の遥に広き野山也。其の谷に百千の出湯有り。深き穴の中より涌出づ。巌を以て穴を覆へるに、湯荒く涌て、巌の辺より涌出づるに、大なる巌動(ゆる)ぐ。熱気満て、人近付き見るに極めて恐し。亦、其の原の奥の方に、大なる火の柱有り。常に焼けて燃ゆ。亦、其の所に、大なる峰有り。「帝釈の嶽」と名付たり。此れ、「帝釈・冥官の集会ひ給て、衆生の善悪の業を勘へ定むる所也」と云へり。其の地獄の原に、大なる滝有り。高さ十余丈也。此れを「勝妙の滝」と名付たり。白き布を張るに似たり。而るに、昔より伝へ云ふ様、「日本国の人、罪を造て、多く此の立山の地獄に堕つ」と云へり。
(『今昔物語集』巻14第7話 修行僧至越中立山会小女語 第七)


昔からこの場所は「地獄」だと考えられてきた。悪いことをすると、日本人はこの地獄に堕ちる。
「大きな火の柱がある」というのは、噴気孔から出た火山ガスが発火したことを言っている。近年でも実際にこの現象が確認されていて、科学的に調査されている。
「帝釈の嶽」は、位置的に立山の事を指すのであろう。
その証拠に、かつて雄山の山頂にあったとされる金銅製の神像が「帝釈天」の像であることがわかっている。
この像が「帝釈天」の像であることが判明したのは、最近の事である。 

立山曼荼羅には、地獄と極楽が描かれている。
まさに天然のマンダラになっているのが立山であり、このような特徴は、日本の他の山には見られないのではないだろうか?

私もいろいろな山を登ってきたが、やはりこの山が出発点であり、終わりもこの山なのではないだろうか?と思っている。
立山周辺の山々は、私にとって特別強い思い入れのある山々であり、今後も変わらないであろう。
やはり立山は良い。

立山縦走に行ってきた 富士の折立が良かった

 梅雨前の一瞬の晴れ間は、非常に条件が良いことがある。
この日を狙って、立山縦走を実行。立山は、雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士の折立(2999m)の三つの峰を合わせたもの。
この峰をきちんと回るのが今回の目的。
もちろん、日帰り単独だから、時間配分は厳密。
今の時期、立山ケーブルカーは空いている

雄山山頂は11時

後立山連峰

これから歩く稜線。涼しい

大汝山。すこし雪があった

富山湾が見える。気象条件は最高だった

富士の折立2999m。ここは分岐のところの道がわかりにくく、難しかった。ここで昼食。写真が乱れているが、自分が写っていたのを消したから(笑)

富士の折立から大日岳。まだまだ雪がある

眺めがよく、いい場所だ

昼食後、ガレた尾根を下る。一瞬ルートを見失って焦った💦

富士の折立を見上げる。ガレていて危険なのでヘルメット着用

下ってきた尾根。平成元年(36年前)ここで8人の人が遭難され、帰らぬ人となられた。開けて何も隠れる場所がない場所なので、気象条件が悪ければ、危険なことになるだろう。

帰りは大走りの雪渓をくだる。下の方に行くにつれて、だんだん急になる。雪がぐずっているし、下が氷なので注意

夏道は少し出ているが、雪の上の方が楽

室堂乗越のあたり

下の方は急な雪壁になっている。固い時などは、アイゼン、ピッケルで降りなければならない。

雷鳥沢まで無事帰還。今日は天気が良かったので、ライチョウはほとんど見なかった

地獄谷の活動が活発。グラグラと温泉を噴き出している様子が見えた。ガスも多量に噴き出している。危険なので立ち入り禁止になっている。

雷鳥荘はまだ営業開始前だ。

地獄谷の噴気がかなり強烈。みくりが池温泉もまだやっていない

改めてみてみると、くぼ地になっているので有毒ガスがたまりやすい地形だね

みくりが池と富士の折立の下り。富士の折立が今日一番良かった場所だった。