中の池からの登りの入り口 |
雨飾山は意外に良かった。実は余り期待していなかった。1963mという標高だし、山頂までの距離が4km弱(新潟県側から)だし、それほど思い出に残る登山にはならないだろう、と思っていた。
しかし実際に登ってみると、滑りやすい苔むした急登から始まり、痩せ尾根、大きな岩に付いた梯子、長いアルミ梯子、広い笹原、細い尾根、etc。。。
最近マンネリ化していた登山だったが、久しぶりに面白い登山だと感じた。
やはり登山は今まで行ったことの無い道を行く新鮮さと、スリルが無いと面白くない。
またこの山は山頂からの景色がとても良かった。
この山の人気の理由が少し分かったような気がした。単に「日本百名山」の一つだからという以上に、この山は何か他の山とは違う、と感じた。
眼下に奇怪な岩場で鎧われた海谷山塊。仰ぎ見るような白馬岳や鹿島槍ヶ岳。絶壁の中の笹原。新潟焼山の危なげな風貌。双耳峰の右の耳から見下ろす、日本海。そこにある羅漢上人が自分で刻んで運び上げたという石仏群。。。
大地と、海と、とにかく自然の美しいもの、哀愁、喜び、全てが湧き上がってくるような、不思議な感覚に襲われた。
人生を共に歩み、老後の人生を歩むスタート地点として、登山を始める人も多いという。ここはやや険しい山であるが、共に登った経験があれば、素晴らしい老後を歩めるかもしれない、と思ったりもした。
全く、贅沢な山である。
途中で年に2回は雨飾山に来る、というお姉さんに、これから先の季節の「霧氷」が美しいことを聞き及んで、またいつか来たくなった。